検索窓
今日:8 hit、昨日:48 hit、合計:90,710 hit

28 ページ28

「それで元カノが俺に対抗してくんの!まじおもれーよな笑笑」



『あはは…』




ぶっちゃけ帰りたい。



本当に帰りたい。





さっきから自分の話か元カノの話しかしない。



大体何?元カノ貶して自分のこと棚に上げて?



クソ男にも程があるでしょ。



及川とは大違いじゃん。



及川はいつも周りのこと気にかけてくれるし、仕草もいちいち綺麗だし。



モテてますアピールウザイけど絶対人の悪口言わないし。






私はそこでハッとした。



『(またこんな時にも及川のこと思い出してる…)』



私は気づいた途端に顔が熱を帯びたのを感じた。



「ねえちょっと聞いてる?」



すると、隣でぺちゃくちゃと喋っていた男が私に質問をなげかける。



ぼーっとしていたのが気に食わなかったのか、何故か肩を組んできた。



『ちょっと離して…』



「合コンってさ、こういう場でしょ?」



どんどん距離が近づく。



気持ち悪いのに、離れたいのに。



圧倒的力の差に対抗できない。



目に涙が溜まった時、勢いよくドアが開いた。



驚いて私はそちらに目を向ける。



そこに立っていたのはまさかの及川だった。



『(息、切れてる)』



走ってきたのだろう。



及川は部屋の中を見渡し、誰かを探しているようだった。



あぁ、きっと誰かが言ったんだ。



玲奈が合コン来てるよって。



それで心配になって迎えに来て。



もう、私に勝ち目なんてないじゃん。





思わず下を向きそうになった時、バチッと及川と目が合った。



すると、ズンズンと及川がこちらに近づいてくる。



『え、ちょ、え?』



思わぬ出来事に私は困惑した。



及川は私とチャラ男を引き離す。



そして私の腕を掴み、無言で部屋を出た。






ちょっと待って玲奈は?



玲奈のこと迎えに来たんじゃなかったの?



なんで私なの?





私はちぎれそうな程腕を引っ張られる。



私は訳が分からずとりあえず立ち止まった。



『及川、』



それに釣られて及川も立ち止まる。



すると、ぐるっとこちらを振り返った。



「なんでこんなとこ来てんの?」



そう言う及川の目は鋭く私に突き刺さる。



私は少し怖気付いた。



すると、及川が私の肩に頭を置いた。



『!?』



あまりに唐突すぎる出来事に私は自分の妄想じゃないかと疑った。




「…心配した」

29→←27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (107 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
255人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

げのげ(プロフ) - ハルスケさん» ありがとうございます!とても励みになります🥹 (1月29日 17時) (レス) id: f5508f1222 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 初コメです!ランキング1位に乗っていて、すぐに拝見させていただきました!めちゃくちゃ面白いです!かっちゃんも好きなのですが、及川も大好きなのでとても嬉しいです!更新頑張ってくださーい! (1月29日 13時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:げのげ | 作成日時:2024年1月28日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。