25 ページ25
楽しみにしていた文化祭はあっという間に終わりを告げた。
今、私たちは何をしているかと言うと
「次ブロック練習ね!俺と岩ちゃんが打つから入ってきて!」
県予選に向けて最後の仕上げをしているところだ。
私は及川に渡された練習メニューを記録ノートに書き込んでいく。
その日の選手の状態をひとりひとり確認して、気になる点などをメモしていき、後で選手のケアをする。
マネージャーごときと思うかもしれないが、やりがいを感じられる仕事だ。
「桜庭、ちょっといいか?」
記録を取っている最中、溝口くんに声をかけられた。
私は近くにいた国見に記録を任せ、溝口くんの元へ急ぐ。
溝口くんはなにか作業をしているようだった。
『なんでしょうか』
一応部活なので、普段タメ口で話す溝口くんにも敬語で話す。
まあ他の部員はあんまり気にせず話してるみたいだけど…。
溝口くんは何故か黙っていた。
私は不思議に思い首を傾げる。
すると、溝口くんは言いづらそうに口を開いた。
「女子ひとりにこんな仕事任せるのは気が引けるんだが、なにかPTAから差し入れが届いてるっぽくてな。あそこの倉庫に積んであるらしいから持ってきてくれないか?」
いつもなら『わかりました』と即答する場面だが、たまにくるPTAからの差し入れは毎度重くて重くて仕方ない。
あれは本当に女ひとりにやらせる重量じゃない。
国見に助けを求めようと後ろを振り返ったが、練習に戻っていたためとどまった。
部員を支えるのがマネージャーの仕事だ。力仕事もやってしかるべきだろう。
『わかりました』
私は部員にちょっと抜けることを伝え、倉庫に足を進めた。
『いやなんだこの量』
倉庫に着いた私。
そして目の前の棚に積み上げられている4つのダンボール。
そのダンボールには"男子バレーボール"とでかでかと書かれていた。
私は『ふぅ…』と息を吐く。
そして勢いよく腕を捲ってダンボールを持ち上げた。
『お、案外いけるかも』
私も筋力ついたかな。
思ったよりしんどくなかった為、私は調子に乗って2つのダンボールを一気に運ぼうとした。
しかし、そのダンボールは私の期待を裏切るように、私の腕にずっしりと乗っかかった。
255人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
げのげ(プロフ) - ハルスケさん» ありがとうございます!とても励みになります🥹 (1月29日 17時) (レス) id: f5508f1222 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 初コメです!ランキング1位に乗っていて、すぐに拝見させていただきました!めちゃくちゃ面白いです!かっちゃんも好きなのですが、及川も大好きなのでとても嬉しいです!更新頑張ってくださーい! (1月29日 13時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:げのげ | 作成日時:2024年1月28日 14時