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自惚れているわけじゃないけど、きっと彼女は自分に好意を持ってくれている。そんなの菊池だってわかっているはず。それなのに、菊池は全く動じる様子も無く焦るそぶりも無い。
「昔っからああなんだよね、アイツ」
「何が?」
「すーぐ好きになって、付き合ってもうまくいかなくて振られて、その繰り返し」
「そう、なんだ…」
「その度に励ましてやって大変なのよ」
「…辛くないの?」
「まー、慣れたね。それに、どうせ戻ってくるってわかってるから」
「すごい自信だな」
「そりゃ幼なじみだし?1番わかってるよ、アイツのことは」
一切の迷いもなくそんな風に言い切れる菊池が、なんだか少し、羨ましくて悔しかった。
そんなの、いつ壊れるかわからないじゃないか。Aちゃんが戻ってくるなんて、保証はないのに。
だから、あの時。菊池の家でAちゃんと2人きりにされた時。柄にもなく、彼女に少し意地悪をしたんだ。あえて2人きりになるよう仕向けた菊池に、俺は多分少しイラッとしていたのかもしれない。その、余裕に。
『まつ毛、ついてる』
『ちょっといい?』
絶対、なんてあるはずがない。人は必ず、裏切るし嘘をつく。俺が身をもって経験したことだ。
だから、俺は、好きになんてならないって、決めたんだ。
最後の恋が終わった、あの日から。
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みゆ(プロフ) - ぷぅ∞さん» ぷぅさん初めまして!嬉しいお言葉ほんとにありがとうございます!これからも切なく甘くを目指して完結頑張るので応援おねがい致します! (2019年5月3日 19時) (レス) id: c270fe5c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ∞(プロフ) - 初めまして。いつも更新を楽しみにしています。風磨くんの切ない恋にきゅんきゅんしています。更新頑張ってください! (2019年4月30日 18時) (レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆ | 作成日時:2019年4月9日 22時