第1話 ページ4
……暫く歩くと、突然視界に火花が散って後ろに倒れた。
何処かにぶつけたのか、ズキズキと痛む額を抑えて呻く。
「いってぇ……」
「えっ?うわ、ごめんなさい!!大丈夫すか!?」
痛みの原因らしき人物が俺の前であわあわしている。
大丈夫、と言いながら顔をあげ、見覚えのある姿に固まった。
「……骨厨?」
「へ?」
思わず溢れた声に相手はきょとんとしていたが、直ぐにハッとなって恐る恐る訪ねてきた。
「……自衛、ちゃん?」
思考が停止したまま頷く。
真っ白な髪、右目の包帯、白い服。
____間違えようもない、親友の一人。
相手の事を思い出していたら、身体に衝撃がきて後ろへ倒れた。
胸の辺りが締め付けられ、ぎゅうぎゅうと圧迫される。
「嘘やろ、此処で自衛ちゃんに会えるとか信じられんわ!嬉しい!!」
「はは……俺も嬉しい、けど……」
ギブギブ、と骨厨の肩を叩くと漸く離れてくれた。
身体に掛かっていた重みが無くなり、大きく息を吐いた。
ごめんごめん、と笑いながら謝る彼女に呆れたような笑みで返し許す。
「……ていうか、なんでこんなとこに居るんだ?お前。」
「知らん。」
あっけらかんと答える相手に苦笑が漏れた。
まぁ俺もわからないし、相手が解るとは限らないだろう。
そういう結論を出してこの問題は思考の隅に追いやった。
次に思い浮かんだのは、他の親友達だ。
コイツ___骨厨が居るんだし他の奴等もいるだろう。
そう思ったのだが、見当たらない。
「なぁ骨厨、アル達は?」
「え?自衛ちゃんこそ一緒じゃないん?」
「俺はずっと1人だったぜ。」
「ワイも1人だったよー。」
という会話の後、二人で他の奴等を探すことにした。
二手に別れた方が効率が良いんだろうが、生憎俺も骨厨も連絡手段を持ってないし、此処が何処なのかわからない以上固まった方が安全だ。
……などと言っているが、本当は俺が1人になりたくないというのが本音だ←
「んじゃ行くぞー。」
「おー」
と、謎の掛け声を上げてから俺達は彷徨い始めた。
第2話→←登場人物の簡易設定その2()(2019/4/1訂正)
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