第十四話 ページ16
「…………暇だ。」
しばらくソファで寝ていたが、起きてからはするべきことが思い浮かばず退屈していた。
テレビ……はあるにはあるが付けてもMettatonしか映らない気がする。設定ではいろんなAUの電波を受信している筈だから尚更。
……何か作ろうか。
別に空腹は感じていなかったが、普段ならそろそろ昼食の時間だ。
それにさっきまで寝ていて朝食の存在を忘れていたし。
首に巻いたマフラーとコートをソファーに置いて、台所へと足を運んだ。
……良い香りだ。
オレンジ色に輝くオーブンの扉を見ながらそう思う。
台所の棚に料理の本があったのは幸いだった。暫く何を作るかに困らなくて済む。
今使っているのはバタースコッチパイ、ご存知Torielさんの得意料理(?)だ。ルムもよく作っていたしちょうど良いだろう。何より一度食べてみたかったし。
焼きあがるまでに皿などを準備していると、ちょうど焼き上がったと告げるの電子音が響いた。
「ん……まぁまぁ、か?」
初めて作って食べたバタースコッチパイは、まずい出来ではなかった。しかし少しばかり焼きが甘い、今度は少しばかり長く焼くか。
紅茶でパイを流し込んでいると、突然チャイムの音が家中に響き渡った。
慌てて食べかけのパイを冷蔵庫に突っ込んで玄関に向かう。
もう一度響いたチャイムに「今出ます!」と答え、鍵を外してドアを開けた。
「あ、れ?mustar…d?」
「よう、ルム。」
「こんにちは。よくここがわかったね……?」
「Inkに教えてもらった。」
じゃまするぞーと俺の横をすり抜けて玄関を上っていくmustard。
「なんかいい匂いするな」
「あ、うん。さっきまでパイ食べてたから…」
へぇ、と大して興味も無さげな声が返ってくる。
君が聞いたのに……()
「…とりあえず座って。お茶くらいなら出すから。」
「あーいい、仕事戻らなきゃなんないし。
それに…」
ほれ、と何かが此方に放られた。
咄嗟に両手で受け止めると、それはルムにとってとても大事な品。あの青いペンダントだった。
「あ、これ僕の……」
どうして君が、と言いかけて彼の家に忘れていたのだと思い至る。
ありがとう、と頭を下げるとmustardは頭を掻いて曖昧な返事を寄越した。
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ひっさしぶりの更新。
そして、2000hit、お気に入り20人!ありがとうございます!!!!(土下座姿勢)
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黒椿鬼(プロフ) - 初コメ失礼します、オリズの絵が消えていまして 見せていただくことは可能でしょうか (2021年3月29日 2時) (レス) id: 6c1e5cc655 (このIDを非表示/違反報告)
しらす(プロフ) - 自衛隊員さん» 見るのがか な り 遅れてしまいすみません!!いや、むっちゃ面白かったです!ありがとうございました! (2020年3月27日 21時) (レス) id: 721cc084cb (このIDを非表示/違反報告)
自衛隊員(プロフ) - しらすさん» ……!!!!!?本当に来るとは思ってなかった((ありがとうございます!!!!!書かせていただきます!!!!!!!!(メガホン(( (2020年1月15日 20時) (レス) id: f1aa58a607 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - オリズ君がinkに本気で襲われかけるのが見たいです…!!(迫真)後…神すぎかよこの作品ッ…!!!! (2020年1月10日 19時) (レス) id: 721cc084cb (このIDを非表示/違反報告)
自衛隊員(プロフ) - 補足としてはこんなところでしょうか。では、お待ちしております。(ちゃんと本編ネタ考えます(() (2019年10月23日 23時) (レス) id: f1aa58a607 (このIDを非表示/違反報告)
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