第十話 ページ12
と、その時。
ドアの鍵が降ろされ、扉が開き風が入ってくる。
コツコツとヒールの音を響かせながら入ってきた彼は、鋭い目で俺を見下ろした。
「……sans。こいつは誰だ?」
「あ、ああ、ソイツはルムって言って、今日一晩泊めてくれって……」
再度睨まれるが、にこにことした顔を保ち頭を下げる。
「突然で誠に申し訳ありませんが、何卒宜しくお願い致します。」
「……フン、勝手にしろ。我輩はもう寝るからな」
「え、BOSS、晩飯は?」
「Undynと食ってきた、貴様らもさっさと食べて寝ろ。」
そう言って彼は、バタンとドアを閉めて自室へと篭った。
mustardは肩を竦め、此方を見る。
「……お前はどうする?」
「君に付き合うよ。」
「おう、じゃあ寝るぞ。」
「うん、わかった。」
夕食は食べないのだろうかと首を傾げたが、対して気にもせずmustardに着いて行った。
二階にある彼の部屋は、散らかっていた。
靴下やら上着やら、酒瓶やら。
仄かに酒と煙草の匂いがした。
「……わ、本当におっきいね、このベッド。」
かけられている布団は何処かくたびれて見えたが、デカイのはよくわかった。
mustardが脱ぎ捨てた上着を拾い、自分のコートやマフラーなどと一緒に落ちていたハンガーに掛けて壁の出っ張りに引っ掛ける。
その様子を、mustardは変な顔で見ていたらしく、目が合った時思わず笑ってしまった。
不機嫌そうな顔になった彼は、ベッドの端の方に寄りスペースを空けてくれる。
遠慮なくそのスペースに潜り込むと、「おやすみ」と告げて目を閉じた。
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黒椿鬼(プロフ) - 初コメ失礼します、オリズの絵が消えていまして 見せていただくことは可能でしょうか (2021年3月29日 2時) (レス) id: 6c1e5cc655 (このIDを非表示/違反報告)
しらす(プロフ) - 自衛隊員さん» 見るのがか な り 遅れてしまいすみません!!いや、むっちゃ面白かったです!ありがとうございました! (2020年3月27日 21時) (レス) id: 721cc084cb (このIDを非表示/違反報告)
自衛隊員(プロフ) - しらすさん» ……!!!!!?本当に来るとは思ってなかった((ありがとうございます!!!!!書かせていただきます!!!!!!!!(メガホン(( (2020年1月15日 20時) (レス) id: f1aa58a607 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - オリズ君がinkに本気で襲われかけるのが見たいです…!!(迫真)後…神すぎかよこの作品ッ…!!!! (2020年1月10日 19時) (レス) id: 721cc084cb (このIDを非表示/違反報告)
自衛隊員(プロフ) - 補足としてはこんなところでしょうか。では、お待ちしております。(ちゃんと本編ネタ考えます(() (2019年10月23日 23時) (レス) id: f1aa58a607 (このIDを非表示/違反報告)
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