名無しさん【NJ】 (ページ4)

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ナムジュンさんが中に入りエスコートするように歩くから

癖で彼の半歩後ろについた

その流れでナムジュンさんの腕に手を添えればナムジュンさんが飛び上がった

あれ…私、また間違えた……？

ていうか、良く考えれば日本食のマナーとか知らない。

どうしよう……

『すいません…私、下手くそですよね。ごめんなさい迷惑かけてしまって』

「え？Aさん？」

『私昔から上手く出来なくて……』

私が頭を下げると、ナムジュンさんはそういうことか、と納得したように頷いた

「Aさん、大丈夫ですよ。とても上手でした。
たださっきのは僕が驚いてしまっただけで……」

『あ、そ、そうですよね…すいません……』

「それから、ここは僕の友達の店なのでそんなに畏まらなくて良いですよ

リラックスしていきましょう」

彼は、そんな風に私の両手をそっと握って微笑んでくれた

そうか、ここはあの憎たらしい高級レストランじゃないんだ

少しでも間違えようもんなら鬼の形相で睨む母と呆れたようにため息をつく父に挟まれ

味のしない料理を口に運ぶだけの作業は、この空間にはない

『……ありがとうございます』

「うん、Aさんは笑っていた方が綺麗です」

今日のスカートも素敵ですね、なんて

急な殺し文句は辞めてください

「行きましょうか？」

『……はい、』

なんでだろう。
元旦那の定型文をそのまま貼り付けたような綺麗だよ、には冷静に返せていたのに

ナムジュンさんからのそれには、心臓がドクドクと脈打って顔が赤くなるのがわかる

それは、ナムジュンさんが心からそれを思って言ってくれたからですか？

今から私、少しだけ自惚れてもいいですか？

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