別れ14 ページ14
だけど普通に寝た。まあ彼らしく明日の心配でもしたんだろう。
もし、ここで、この夜で何かあったら、家出て行くの考えようかなとか。ま、もう遅いわ。色々と。
朝、時計を見ると5時半。まだ外は暗く静か。隣でスヤスヤと眠る修也を側にベッドを出る。
静かに服に着替える。今日はスーツではなく普段着。
最後のあらがいだ。
修也が去年誕生日に買ってくれた黒いワンピース。赤いルビーのネックレスをかける。
朝食は簡単に二人分作りラップをかけておく。
『いただきます。』
一人で食べる朝食は冷たい。美味しく焼けたソーセージがなぜか冷たく感じる。
身支度を済ませて鏡を見る。やはり悲しい顔をしている。
メモ帳を千切り置く。
"別れてください。"
散々悩んだ。無断で出ていって、音信不通にするか。それだとマジでイタリアにきそうで怖い。
別れてください、短いけど。
ドアを押す。
押せ、押すの。押さないと。
でも、震えて力が出ない。押さないといけない。もうここには戻ってこない。
出てしまったという絶望感。それと共に、新しい世界で生きていく不安感が押し寄せてきた。
実はすでに退職届けは修也のデスクの中に入れておいた。きっと今日中に気づくだろう。
空港行きのバスに乗る。乗っているのは私と数名。
スマホに手を伸ばしロックを解除。ロック画面は虎丸と修也と私。ホームは修也の大学生時代のサッカー姿だった。
「まもなく羽田空港、羽田空港前〜。」
席を立ち出口へ
「貴女...ハンカチ落としてるわよ。」
『え?あ、ありがとうございますっ....て。あ、ああああなた...。』
「覚えているかしら、お日さま園の八神玲奈よ。あ、ウルビ」
『いや、その名はもう捨てて!?』
八神さんも空港で降りる。いったいこんな朝からどこへいくのか。
『あの、八神さんはどちらへいかれるのですか？』
「イタリアにな。サッカーのパーティーに招待されててな。仮にも私もなでしこジャパンだ。」
忘れていた、八神玲奈。18歳で代表入り、一年でレギュラーの座を勝ち取った。完全に忘れていた。中学生しか見てこなかったせいか。
『行き場所同じです...。私もイタリアのサッカーのパーティーに...。』
「そうか...。いい加減その敬語はどうにかならないものか？同い年だろう。」
あなたが威圧てきなんだよー、コノヤロ。綺麗になって、背が伸びて。なでしこジャパンで...。うらやましい、正直。なんか、勝ち組みたい。
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ゆい(プロフ) - こよいさん» ありがとうございます!!!良ければ後編もよろしくお願いします! (2018年11月24日 22時) (
レス) id: 8b717c3bab (このIDを非表示/違反報告)
こよい - この小説、大好きです (2018年11月24日 20時) (レス) id: e62f20c155 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - チョコバナナさん» ありがとうございます！！よろしかったら続編も楽しんで行ってください！！ (2018年11月10日 16時) (レス) id: 8b717c3bab (このIDを非表示/違反報告)
チョコバナナ - 修也くん大好きなので嬉しいですぅぅぅぅ！更新頑張ってください！ (2018年11月9日 20時) (レス) id: c696327d14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ワンダーランド☆さん» ありがとうございます〜!!!中3なので両立が難しいものの、毎回楽しくか書かせていただいてます。どうぞこれからもよろしくお願いします! (2018年11月6日 0時) (レス) id: 8b717c3bab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆいどん | 作者ホームページ：
作成日時：2018年8月28日 2時
