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──7年前
「ちょっ…と…やめて」
あれは、いつの日かの校内掃除の時間。
いつものように
ふと僕たちの耳を、女の声が刺激した。
全員でそちらへと顔を向ければ、男3人に囲まれている女が嫌そうな顔をして立っているではないか。
アイツ…また巻き込まれるのか。
アイツ、というのは入学式の日に知り合った有村Aの事である。
「有村さん…また巻き込まれてる」
景が呆れたようにしてそう呟けば、萩原だけがなにか思い出したように頷く。
「有村Aちゃん、って確か隣の教場のエースちゃんだよね?また、って?」
「入学式の日にも、男にバカにされて怒ってたんだ。だよな、
「あぁ。けどあいつって確か…超ビビりだったような…」
そう。
僕の知る限り彼女はビビりのはず。
対峙していた男たちが消えた途端腰を抜かすようなヤツだ。
俺がヒーローになっちゃおうかな〜なんて言っている萩原の肩を抑える。
「何すんだよ降谷ちゃん」
「まあ見てればわかる」
掃除の手を止めて彼女の方を見れば、段々と眉間にシワがよっていき、そして爆発した。
「しつこいなぁ!合コンなんか行かないってば!つか、合コン行くとしてもあんたたちみたいなレベルの低い男と会うなんて、願い下げ」
大きく響いた声。
なんだなんだ、と騒ぎを聞き付けた生徒が集まってくる。
それに怖気付いたのか、彼女を囲んでいた男3人はどこかへ走って逃げて行った。
一部始終を見ていた僕たちは肩を揺らして笑ってしまう。
そんな笑い声に気づいた彼女が顔を真っ赤にしてやってきた。
「ヒロくんもゼロくんも見てたなら助けてよ…!」
「だって君は僕たちがいなくても何とかできるだろう?」
「そうだけど…って、後ろの人達は?2人と同じ教場の人?」
「うん。左から萩原、松田、伊達」
「…あぁ!知ってる知ってる」
一瞬考えた後に彼女は笑いながら話し出した。
萩原は女たらし、松田は僕と殴りあったヤツ、伊達班長はそんな厄介者を手懐けてる、という印象らしい。
それに対して萩原は落ち込み、松田は怒り、班長は笑う。
そんなこいつらに景と二人で笑っていれば、萩原が負けてられるか、といった様子で僕と肩を組んだ。
「同期6人で呑みに行くってのはどうよ!」
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結衣(プロフ) - RIOさん» ありがとうございます!すみません、確認したのですがfryさんが警視庁に行く描写が見つからず…。宜しければ何ページにあったか教えていただいてもいいですか? (2022年6月26日 22時) (レス) @page6 id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
RIO - めっちゃ面白いし感動しました!あの、一つ聞きたいんですが、降谷さんはなんで警視庁に行かれるんですか?仕事関係なら警察庁だと思うんですが、、警備企画課ですし、、 (2022年6月23日 1時) (レス) @page16 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - 結衣さん» 承知しました!念の為削除しましたので残っていたら教えてください! (2022年4月30日 13時) (レス) id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 谷さん» ご指摘ありがとうございます。修正させていただきます (2022年4月29日 19時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - ヤギさん» ご指摘ありがとうございます。後々のこともあるので今回は目を瞑ってくださると幸いです… (2022年4月29日 19時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結衣 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年4月27日 0時