残された宝物【安室透/降谷零】

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「うそっ、松田くんが捜一に…！？」



仕事終わり、ゼロくんがなにか知らないかと思いポアロへとやってきていた。



店員さんはゼロくんだけで、お客さんも2人ほどしかいない。



それに子供みたいだし。



ミルクティーを頼み、一息つく。



そっかぁ…松田くんが捜一にいたんだ…。



もし、私が誘拐なんてされなかったら。



一緒に仕事が出来たのかもしれない。



そしたら微力だけどその爆弾事件の捜査に加わって、彼が死ぬ事もなかったかもしれない。



グッ、と眉間に力が入る。



私が、私が＿＿＿＿



「…A、さん」



「安室くん…」



「そう思い詰めた顔しないでください」



「……うん」



ゼロくんが心配そうにこちらを見つめている。



その表情は昔と変わっていない。



「仕事復帰はどうでした？」



「うーん、まぁいい感じかな」



「お昼休憩に来た刑事さんたちが褒めてましたよ」



「あの人たち……」



暫く彼と談笑していると、隣に小さな影が。



さっきからお店にいた子供だ。



確か名前は…



「コナンくん、どうしたの？」



確か保護者がいたはずなんだけど…。



と、後ろを見れば困ったようにしている女の子が。



お姉さん、かな？



「…！僕の名前知ってるんだ」



「えぇ。歩美ちゃんたちに聞いたの」



「お姉さんお名前は？」



「有村Aよ」



「Aお姉さんだね！」



にぱっと笑ったコナンくん。



「コナンくんのお父さんとお母さんはコナン・ドイルが好きなのかな？」



「うん！お姉さんもホームズ好き！？」



「私、日本の作家さんのお話しか読まないの。ごめんね」



「そっかぁ…」



コナンくんはホームズの話題になると目を輝かせる。



名前の通りコナン・ドイルやホームズが好きらしい。



見た感じ小学生なのに凄いなぁ。



「コナンくん…！もう…」



「あ、蘭姉ちゃん…ごめんなさぁい…」



「すみませんコナンくんがいきなり話しかけちゃって…。私、毛利蘭と言います。」



「有村Aです」



先程の女の子がコナンくんを抱き抱えて頭を下げる。



蘭ちゃんは確か昨日、カチューシャの女の子を焦って止めに来てたような。



あれ、そういえば苗字が違うけど…まあ色々事情があるんだろう。



人には突っ込まれたくない事情なんて山ほどあるしね。



「コナンくんと蘭さん、こっちに移動しますか？」



ゼロくんがそういえば、2人は頷く。



私もそれを了承した。

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