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「はい、どうぞ」
ハムサンドの乗ったお皿を4枚運び終われば、目をキラキラさせた子供たちが大きな声でいただきまーす!と言って勢いよく食べ始める。
そんな様子をコナンくんは呆れながら見ていた。
とにかく美味しそうに食べているし、心配事はないと仕事へと戻る。
このシフトが終わればすぐに警察庁に戻って仕事だ。
あと残り1時間30分と言ったところ。
今日の公安の分の仕事を思い出していると、バックヤードの方からエプロンをつけた梓さんがやってきた。
「安室さん今帰りましたー!あら、みんなも来てたのね?」
「こんにちは!」
梓さんからビニール袋を受け取り、中から野菜や調味料を取り出す。
ちょうど切らしていた牛乳に、コショウ、それから玉ねぎとトマト。
それぞれを冷蔵庫やカゴにしまっていると、再び店のドアが開いた。
「あれ、コナンくんたちも来てたの?」
「蘭姉ちゃん!」
「なぁに、ガキンチョたちもいるのね…」
入ってきたのは帝丹高校の生徒の2人。
毛利蘭さんと鈴木園子さん。
2人は慣れたようにコナンくんたちの横の席に座り、パンケーキを2つ注文した。
梓さんが作ってくれているのを横目にお水を持っていく。
「いつもありがとうございます」
「いえ、こちらこそいつも父に差し入れしてくださってありがとうございます…!」
「それに、私達も目の保養になるんだもん。ねー、蘭?」
「え?う、うん。そうだね!安室さんカッコイイし!」
蘭さんが僕のことをカッコイイ、と言った途端に冷たい視線が左側から伝わってきた。
そちらを見れば、コナンくんがじとーっと見つめている。
小学生でも嫉妬はするのか、なんて感心しながら園子さんの口説きを軽くかわしてバックヤードに戻った。
掃除ロッカーから外用のほうきとちりとりを取り出して外に出る。
西日が強く、目を開けるのも一苦労だった。
ゆっくりと細めた目を広げ、店前の落ち葉を掃除していく。
ポアホの店内では何やら盛り上がっているようだった。
僕からすれば、平和ならそれでいい。
ガタガタとちりとりを揺らしながら掃除をしていると、真後ろで立ち止まる足音が聞こえた。
客か?と思い振り返った途端。
ぎゅっ、と抱きつかれる感覚がする。
「っ…!?誰だっ……」
すぐに突き放そうとしたが、僕の手は空を切った。
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結衣(プロフ) - RIOさん» ありがとうございます!すみません、確認したのですがfryさんが警視庁に行く描写が見つからず…。宜しければ何ページにあったか教えていただいてもいいですか? (2022年6月26日 22時) (レス) @page6 id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
RIO - めっちゃ面白いし感動しました!あの、一つ聞きたいんですが、降谷さんはなんで警視庁に行かれるんですか?仕事関係なら警察庁だと思うんですが、、警備企画課ですし、、 (2022年6月23日 1時) (レス) @page16 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - 結衣さん» 承知しました!念の為削除しましたので残っていたら教えてください! (2022年4月30日 13時) (レス) id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 谷さん» ご指摘ありがとうございます。修正させていただきます (2022年4月29日 19時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - ヤギさん» ご指摘ありがとうございます。後々のこともあるので今回は目を瞑ってくださると幸いです… (2022年4月29日 19時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結衣 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年4月27日 0時