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いらっしゃいませ、と男の人の声が耳に入る。



思わず私はマスクで顔を隠した。



コナンくんとの会話でモゴモゴしたくなくて外してたの忘れてた…。



俯いていた顔を上げ、店員さんの方を見る。



「…!?……れー…くん…」



喫茶ポアロと書かれたエプロンをつけた、褐色肌で…金髪の……男の、人…。



ぽつり、と初恋の人の名前をつぶやく。



それは誰にも聞こえていなかったようで、コナンくんにグイグイと腕を引かれた。



「安室さんがどうかしたの…?」



「えっ、あ、ごめんね…なんでもないの」



安室さんって言うんだ、この人。



私の知ってる彼の名前は、フルヤレイ。



人違いか…。



ボックス席に案内されて、コナンくんの横に座る。



席の形的にカウンターで水を用意する偽物れーくんのことはよく見えた。



「もしかしてAさん、安室さんに一目惚れ…とかですか…?」



「えっ?」



「あ、ほらだって、ずっと見てるから…」



「あ、はは…まさか…!」



頬を赤くしながら話す蘭さん。



一目惚れとか、そんなのじゃない。



ただ初恋の人に似てるの…。



でも会ったのは私が5歳の時だから、お互い子供で大きくなった姿なんて想像できない。



でも、れーくんが大きくなったらこんな顔だろうな…って、想像した通りの顔だった。



ぼーっとその安室さんという人の顔を見つめる。



「…違う人……なんだよね…?」



本人に聞けないことを一人で言ってみれば、今回はコナンくんには聞こえていたみたいで首を傾げられた。



なんでもない、と首を横に振る。



「ご飯食べようか。今日は私が払いますから」



「そんなっ!父が払います!」



「おれぇっ!?」



イヤホンを耳に入れていた毛利さんが驚いたように肩を揺らした。



「もう、お父さんったらさっきから様子変よ?もしかして…見とれてたりしないわよね」



「バカヤロー。俺はヨーコちゃんに一筋なんだよ!」



ヨーコちゃん…沖野ヨーコちゃん?



「ヨーコちゃんなら、確か来月仕事一緒ですよ?」



「本当ですか!?」



「え、えぇ…。音楽番組の収録で…」



沖野ヨーコちゃんは、私の大好きな後輩。



悔しいけど、彼女もトップアイドルだと思う。



クネクネしながら私に同行を頼んでくる毛利さんにクスクスと笑いながららスタッフに聞いてみますね、と伝えた。

|→←3.喫茶ポアロ



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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天音(プロフ) - すごく面白くて、読んでてドキドキしました!ゆっくりでもいいので、更新待ってます! (2022年7月17日 19時) (レス) @page17 id: 36647ec52c (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 頑張ってください!! (2022年7月17日 13時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 面白いです、応援しています!!更新待ってます (2022年7月17日 13時) (レス) @page17 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます! (2022年4月29日 19時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 面白いです!ゆっくりでいいので更新頑張ってください (2022年4月23日 19時) (レス) @page19 id: 99e1269188 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結衣 | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年4月16日 23時

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