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「コナンくん…」
「お姉さん……ごめんね…」
「もう…どうして君が謝るの?」
入ってきたのは、しょんぼりとしたコナンくん。
やっぱり、この子だった。
事件が起きればいつもその場にいるし、私を助けてくれる。
頭をぽん、と撫でていると後ろから佐藤さんもやってきた。
「犯人は伸びてるのね…。とにかく、倒れている彼女たちを病院へって行くわ」
「はい。あのっ、リリーちゃんは…」
「わかってる。連れていくのは、警察病院だから」
「ありがとうございます」
入ってきた救急隊員の人たちが、倒れていた女の人達とリリーちゃんを担架に乗せて運んでいく。
私も行くか、と聞かれたけれど、今この場で状況を把握しているのは私だけだから残ることにした。
リリーちゃんにはマネージャーさんが付いていてくれるみたいだし。
未華子ちゃんはどうしても外せない用事があるから来れないって。
ソファに深く腰かけ、膝の上にコナンくんを乗せる。
「お、お姉さん…?」
「ごめんね、少しだけ」
「…うん」
暫く経てば、警察の人がゾロゾロと入ってきた。
中には松田さんや伊達さんもいる。
もしかしたら、なんて考えてしまったけれど、安室さんはそこにはいなかった。
「お姉さん、もしかして安室さんのこと探してる?」
「へっ?や、やだな…違うよ」
コナンくんに指摘されて、ハッとする。
普通、探すなら警察になっているかもしれないれーくんでしょう?
私、どうして安室さんを探したの…?
ずきん、と心臓が痛む。
気付きかけた気持ちに鍵をかけて、早々と進んでいく捜査を眺めた。
.
小一時間経った頃、松田さんと伊達さんがこちらへやってきた。
心配の言葉がかけられる。
それに対して平気だと返せば、なんとも言えない表情になった。
…だって、本当に……大丈夫だもん…。
「それじゃあ、事件当時の話を聞いていいか?」
私を挟むようにして座った松田さんと伊達さん。
コナンくんはそんな2人を交互に見ながら、スマートフォンを取り出して何やら画面をタップしている。
そんな彼から目を離し、数時間前のことを思い出した。
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天音(プロフ) - すごく面白くて、読んでてドキドキしました!ゆっくりでもいいので、更新待ってます! (2022年7月17日 19時) (レス) @page17 id: 36647ec52c (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 頑張ってください!! (2022年7月17日 13時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 面白いです、応援しています!!更新待ってます (2022年7月17日 13時) (レス) @page17 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます! (2022年4月29日 19時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 面白いです!ゆっくりでいいので更新頑張ってください (2022年4月23日 19時) (レス) @page19 id: 99e1269188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結衣 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年4月16日 23時