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5.ポアロの店員 ページ12

あの日から、私はポアロに通うようになった。



通う、と言っても週に1回行けたら良い方で。



基本的に2週間に1回はポアロに来ている。



例のストーカー紛いな人からの危害は今のところない。



あれから変わったことといえば、安室さんと仲良くなったこと…とかかな。



やっぱり彼はれーくんにしか見えないけど、最近になってやっと別人だと分けて考えることが出来ている。



「おや、こんにちは」



「こんにちは安室さん」



今日は一日オフだからブランチを食べにポアロに来た。



相変わらず店員さんは安室さんだけで、お客さんも時間帯的に少ない。



というより、ゼロ?



「そういえば、先日テレビに出ていたのを拝見しましたよ」



「やだなぁ…なんか恥ずかしいです」



いつものミルクティーを飲みながら世間話をする。



安室さんは食器を拭きながらニコニコと笑ってこちらを見ていた。



恥ずかしいなぁ。



「今日はお休みなんですか?」



「はい。収録は昨日だったし、暫く活動は休みです」



「では休みの期間に会える僕はお得ですね」



「そうですね、安室さんは特別です」



食器を拭き終わった安室さんがカウンターに椅子を持ってきてそこに座る。



シンク越しではあるけれど、近くで向かい合って話す時間がとても心地よかった。



少し隙間が開いた窓から吹く風で、安室さんの綺麗な金髪が揺れる。



綺麗な顔してるなぁ…芸能関係じゃないのが勿体ないくらい。



思わずその髪に伸ばしそうになる手を引っ込める。



「ふふ、触りますか?」



「え、あ…ううん、触りません」



「そうですか…」



「触りたくないとかじゃ、ないんです…!ただ、事務所の人が無闇に男の人に触れるのは禁止だと」



「へぇ…ではあの日のことは命令違反ですね?」



「うっ。そ、それは言わない約束でお願いします……」



いたずらっ子のように笑う安室さん。



あの日のことは暗黙のルールで話題に出さない…なんてことはなく、互いに弄りあっていた。



弄るというか、安室さんが私をからかうというか。



一応アイドルですよ、とムスッとして頬杖をつけば、また笑われる。



「あ、そういえば安室さんってお幾つなんですか?」



「言ってませんでしたっけ。僕は今年で29歳ですよ」



「29!?」



どうにか話を逸らそうと、安室さんに年齢を聞けば驚きの答えが帰ってきた。



こ、この顔で…?29歳…?



ほんとになんで芸能人じゃないの!?

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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天音(プロフ) - すごく面白くて、読んでてドキドキしました!ゆっくりでもいいので、更新待ってます! (2022年7月17日 19時) (レス) @page17 id: 36647ec52c (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 頑張ってください!! (2022年7月17日 13時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 面白いです、応援しています!!更新待ってます (2022年7月17日 13時) (レス) @page17 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます! (2022年4月29日 19時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 面白いです!ゆっくりでいいので更新頑張ってください (2022年4月23日 19時) (レス) @page19 id: 99e1269188 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結衣 | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年4月16日 23時

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