赤い宝石Ⅱ〈×ym〉 (ページ17)

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二『まぁとりあえず終わろっか。ごめんね裕翔。でも言い出したのはヤマだから、許してやって』

「はい…。お疲れ様でした」

普通なら許せない理由でも許せちゃうのが恋というもの…。

カメラを片付けながら言う二宮くんと中丸くんを分かりやすい愛想笑いをして見送る。

「俺も帰るわ。裕翔ごめんね。二人ともお疲れ様」

先輩二人に続いていそいそと部屋を出ていくヤマに一言交わして空いたソファに座る。

『気まずっっっ！俺も帰ります！お疲れ様でしたすみませんでした！！』

三人が帰った後どちらも喋らない地獄の時間を切り開いたのは風磨だった。

「ちょっと待って」

『…はい？』

いつもならヤマについていく俺がこの場に残った理由。

それはドッキリがドッキリじゃないような気がして。

「ほんとに全部嘘？」

『嘘ですよ。ドッキリなんですから』

ケロッとした顔で答える風磨はさすがドラマや映画に沢山出てるだけある。

でもあの目は本物だった。

「渡さないよ」

『………』

「涼介は俺がもらう」

俺の言葉に何も返さずただ俺を見つめて立っている風磨の肩を軽くぽんと叩きドアノブに触れる。

『──────。』

ドアを完全に閉めるほんの少し前に聞こえた小さな声は俺を鼓舞するには十分だった。

急いでスマホを取り出しメッセージ画面を開く。

ポチポチとあの人ができないフリック入力で文字を打てば、スゲー！と目を輝かせながら見てくる様子が浮かんで思わず頬が緩くなる。

何時間くらい経ったのだろう。

体感的にはとても長く感じた。

が、時計を見てみれば実際には送ってから30分程しか経っていない。

自宅のソファに座りながらスマホを握りしめる。

待ちに待った通知音が俺の胸を高鳴らせる。