赤い宝石Ⅱ〈×ym〉 (ページ14)

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「ヤマ？許してくれる？別れない？」

「……おれはっ、」

ヤマがやっと口を開き何かを言おうとした瞬間抱きしめる。

「ごめん、ヤマ。ごめんね。俺今度から気をつけるからさ。別れるなんて言わないで？ね？」

「……」

ヤマは相変わらず無言のまま。

珍しいな、ほんとに愛想つかされた？
いや、そんなことは無いはず。
俺が今までどれだけ頑張ってヤマを洗脳してきたと思ってんの。

「ねぇヤマ。俺にはヤマしかいないんだよ。だから許して？」

「…………わかった」

「ほんと？ありがとうヤマ。俺ヤマがいないと死んじゃうからさ」

冗談じゃないからね。
ヤマがいなくなったら生きてる意味無いし。
でもヤマは純粋だから気付いてないんだろうな。

あーかわいい。

もう一度強くハグをすると一瞬体を強ばせる。

頭を撫でてから、頬を触り、上を向かせて俺と目を合わせる。その瞳は真っ暗で俺がちゃんと映っているのか不安になる。

最近はこうでもしないとまったく目が合わない。前はヤマから俺と目を合わせようとしてくれたのにな。

顔をゆっくりと近づけて優しく唇に触れる。

頬は濡れているのにヤマの唇はかさついていた。

「愛してる」

耳元で囁けば体を震わせて喜んでいる。

………え？どうして？なんでまた泣いてるの？嬉しくないの？

もう一度キスをする。

舌を入れる。

いつもは俺を迎え入れてくれる舌が今日はいない。

また躾直さないと。

「涼介。俺は涼介のなに？」

「っ、こ、こいびと」

抱きしめている小さな体がガクガクと震える。

「そうだよね。ならさ､なんで愛し合ってくれないの？」

「ごめんなさい、でも今日はやめてっ、おねがい」

俺の胸に縋って体を震わせながら訴えてくるその顔。

やっぱ最高だよ。

「明日ならいいってこと？なら明日しようね？ちょっと痛いけど我慢してね涼介。これは涼介のためなんだから。」

頭を撫でてから抱きしめていた小さな体を大きく突き飛ばす。

大粒の涙を流しながら床に倒れる。

そんなに泣かれちゃうと俺が悪いことしてるみたいじゃん。

ヤマがいけないのにさ。

あと俺気づいてるんだよね。

ヤマの首にある鬱血痕。

end