赤い宝石Ⅱ〈×ym〉 (ページ6)

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隕石 ytym ページ6

｢うわ〜、テレビも電気も全部点かないや｣

｢そりゃあね、今日だもん隕石が落ちるの｣

この地球に隕石が落ちることを発表されて3年が経過した。俺たちはこの宇宙の動きに身を委ねるべく騒ぐことなくいつも通り普通に過ごしている。

｢静かだね｣

｢そうだね｣

まだ昼間だというのに外には誰もおらず、いつものようなガヤガヤとした都会ならではの喧騒と忙しさがまるでない。

｢ヤマは今日家族と一緒じゃなくていいの？｣

ソファに座っている俺の隣に静かに腰を下ろし顔をのぞき込むようにして聞いてくる。

｢先週会ったしいっぱい抱きしめたからもう大丈夫。それに、裕翔となら許してくれるから｣

｢そっか、俺信頼されてんね｣

｢そりゃあね、付き合い始めた瞬間に挨拶行ってそれからも気にかけてくれた人をうちの親が信頼しないわけないでしょ｣

｢ふふっ、よかったぁ｣

｢ていうか、それこそ裕翔も大丈夫なの？｣

｢うん。俺もこの前会ったし大丈夫。それに、俺の家族全員ヤマのこと好きだしね｣

｢言っちゃダメかもだけど、裕翔が生まれてきただけはあるような家族だもんな｣

｢なにそれ、どういう意味〜？｣

｢ふふっ、良い意味で。俺裕翔の家族大好きだよ｣

｢俺のことは？｣

｢なんて言って欲しいの？｣

優しく微笑みゆっくりと顔を近づけてくる裕翔の唇が合わさり、小さくリップ音がなる。

｢ヤマの言葉ならなんでも｣

｢なら、ゲームの次に好きかな｣

｢そっか、嬉しい｣

俺の素直じゃない回答にも嬉しそうに笑ってくれる裕翔に愛しさで胸が締め付けられる。

｢ん〜、うそ。大好き。いちばん｣

シラフなら絶対言わないであろう言葉を言う俺にびっくりしたのか、まさにハトが豆鉄砲を食らったような顔をする裕翔に思い切り抱きつく。

｢わっ、そっかぁ、俺が1番なのかぁ｣

ぐふぐふと気持ち悪いほど嬉しそうな声色で言いながら、急に抱きついたにも関わらず裕翔の大きな手が俺の背中で絡まる。

｢裕翔は？｣

｢そんなの決まってるじゃん。愛してる｣

｢クセェ｣

｢それぐらいが丁度いいでしょ、今日は｣

｢そうかもね。なら俺も愛してる｣

そんな会話をしながら、ゆっくりとソファに押し倒される。