赤い宝石Ⅱ〈×ym〉 (ページ1)

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実験 arym ページ1

今日は久しぶりの休みだ

朝ごはんも食べ、予定があった訳でもない為やることがなくなり適当にスマホでネットを見ていたらある情報に目を留める

"男性は空腹になると性欲が湧く"

本当か？？

今までを思い返してみても空腹になって性欲が高まったという記憶はない

如何せん疲労の方が大きいからだ

これは試してみたい
でも空腹になるとかはヤダ

…ならアイツにやってもらうしかない

｢大ちゃん、お腹すいてる？｣

｢いや？空いてないよ｣

｢ならもう今日はご飯作んないね｣

｢え？なんで｣

｢いいの、なにも食べちゃダメだよ｣

｢はぁ？｣

｢おねがい。明日オムライス作ってあげるから｣

｢はぁ、分かったよ｣

甘えた声でお願いすればすぐに承諾を得た

正直言うとちょろい

今は午前9時

朝ごはんを食べた為空腹ではないらしい

ネットの内容に半信半疑で密かに実験を行う

まあ、俺は普通に食べるけど。

午後12時

今のところ大ちゃんに変わった様子はない

強いていえば｢お腹空いた｣とぶつぶつ呟いてることぐらい

流石に目の前で食べるのも可哀想だと思い別室で食べる

俺が別室にいる間何か食べないように念の為｢食べたら1週間ちゅー禁止｣という掟を言い放ってからだ

午後4時

お昼とは打って変わってとても余裕そうだ

｢お腹すいてる？｣

｢空いてると思うけど、空きすぎてよく分からない｣

空腹はマシになったようだが性欲は分からない
見た感じなんともなさそうだ

午後8時

俺だけ夜ご飯を食べる

俺の作ったご飯の匂いにつられ「いいにお〜い」とは言っているが特に変わった様子はない

午後9時半

いつも通り1人ずつお風呂に入り各自適当に過ごす

いつもと少し違うのが大ちゃんがチラチラと此方を何度も見ている気がする

｢なあ山田｣

｢なに？｣

｢なんか付けてる？すごい甘い匂いするんだけど｣

｢え？｣

今日1日中香水なんか付けた覚えはない

どっちにしろお風呂に入ったんだからそんな匂いはしないはず

｢付けてないけど｣

｢ほら、山田の方から甘い匂いするもん｣

自分で自分を嗅いでみるがそんな匂いはしていない

｢してないよ？｣

｢え〜〜？｣

鼻をスンスン鳴らしながら疑わしそうに近づいてくる大ちゃん

｢する。絶対する。食べたくなってくる｣

｢…え？食べ？｣

｢うん。食べたい｣

｢……｣

オスの目をしている大ちゃん

きっとこの実験は成功だ

｢……いいよ。食べても｣

end