赤い宝石〈×ym〉

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｢はぁ、やっぱなんも分かってない。この世の中良い人ばかりじゃないんだよ！？？やまなんて可愛んだからすぐ連れてかれちゃうかもしれないんだよ！？？そこ分かってる！？｣

｢はぁ、｣

すごい熱弁してるけど全く理解できない。
さっき裕翔に対して怒ってたのもどうでも良くなってきた。
とりあえず誰かこの空間から連れ出してくれ。


｢あ、いたいた。山田ー裕翔ー、始まるぞ｣

｢あ！ひか！！！！！ありがと！！！｣

｢ちょ、やま！だからその顔！！！｣

後ろでなんか言ってるけど、裕翔の意味分からん熱弁地獄から抜け出せたことが嬉しくて心の中でスキップしながらひかの元へ向かう。



『JUMPの皆さん本日はありがとうございました』

｢ありがとうございました！｣

撮影も無事終わりみんなぞろぞろと楽屋へ戻って行く。
俺はというと裕翔に捕まって人が少ない廊下にいる。

｢やま、まだ話は終わってない。あのね、だからやまは、｢危ないんでしょ。分かったからもう分かった。気をつけるから｣

これ以上同じような話を聞くのはめんどくさいし早く帰ってゲームをしたいから無理やり裕翔の話を終わらす。

｢心配なの｣

子犬のような目で見てくる裕翔の頭に思わず手が伸びる
図体は大型犬の成犬並だけど。

｢これで仲直りね｣

｢うん。ごめんね、やま｣

｢ううん、戻ろ？｣

俺より一回りでかい裕翔の手を握り楽屋へ戻ろうと小さく引っ張ればニコッと暖かい笑顔を向けて握り返してくれる。


｢あ、やま｣

｢ん？｣

楽屋に入る手前で俺の手を強く握りしめて立ち止まった裕翔に釣られて俺も立ち止まる。




｢俺だけしか喋っちゃダメっていうの嘘だけど嘘じゃないから｣

｢…………は｣




end

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