赤い宝石〈×ym〉

守りたい cnym ページ24

｢涼介は？｣

『山田なら2年の先輩に呼ばれてたよ』

｢ありがと｣


またか。

涼介と一緒にお昼を食べようと涼介のクラスに行けば当の本人はいない

涼介のクラスメイトに聞けば先輩に呼び出されたとのこと



涼介は沢山の人を魅了する
それは小さい頃から

だから僕は毎日涼介の隣を歩き、悪い虫たちを近づかせないようにしていた


だけど今年は違う

高校ではクラスが別になってしまった

今までずっと一緒だったのがもはや奇跡だったのかも



女子からは王子
男子からは姫
そう呼ばれているのを涼介は知らない


涼介がフリーだからと、男女関係なく沢山の人が近づく


その容姿のおかげで危険な目に合ったことが過去にある

なのに涼介は人を警戒しない


だから僕が守らないと。


またあんなことが起こらないように急いで涼介を探す



｢知念？｣

｢涼介！！大丈夫？何もされてない？｣

｢うん。どうしたの？そんなに急いで｣

｢いや、なんもされてないならいいよ｣


良かった。あんなことはもう二度とごめんだ


｢呼び出しってなに言われたの？｣

｢それがぁ！サッカー部に勧誘されちったんだよね〜！！｣


ニヤニヤと自慢をする涼介
涼介サッカー大好きだもんな


｢入るの？｣

｢ううん、断った｣

｢え、なんで、サッカー好きじゃん｣

｢だって、練習とかで知念と一緒に帰れないもん｣

｢そ、そう｣


"めんどくさいから"とかいう理由を予想してたが、まさかの"一緒に帰りたいから"という理由


涼介は無自覚で可愛いことを言う

毎日一緒にいると言っても、不意打ちでくるこういう台詞にはいつまで経っても慣れない


｢うあ〜、腹減った〜！早く飯食べよーぜ！｣

｢はいはい｣


まあ、本人はなんとも思ってないようだけど




｢あ、そうだ涼介。今日僕委員会だけどどうする？｣

｢ん〜、ゲームしたいから先帰る｣

｢分かった。でも1人で帰らないでね。｣

｢はいはい、分かってるよ。大ちゃんと帰るから。もう〜、知念は過保護だな〜｣


"大ちゃん"その人は涼介の幼なじみで僕たちの先輩

僕が唯一認めている涼介に近い存在
そして、僕の友達でもある




｢はぁ、疲れた｣


委員会の集まりと仕事が終わり携帯を見れば涼介からの大量の着信

背中を冷たい汗がツーと流れる

ただ事では無い気がして急いで涼介に電話をする

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