第三章 ページ5
side 小瀧
ぎらぎらと照り付ける太陽。
夏生まれとは言え暑さにめっぽう強い訳ではない。
どちらかと言えば体力のない俺にとってこの日差しの強さはきついのですよ。という俺の心の声なんて聞き入れてくれない真上の太陽を俺はサングラス越しに睨みつけた。
青「そないに睨みつけたって日差し弱くなんてならんぞ」
桃「知っとるわ」
青「やったらその顔やめえ」
桃「え、どんな顔?」
青「高倉組の一員みたいやで」
隣を歩く流星の例えに苛立つ気分が少し解消される。テンポのいい会話が心地よい。
桃「んな事言っとると来るぞ?」
青「あーそら嫌やわ」
桃「流星何回か当たっとるよなw」
そう振れば今度は流星が人を殺しそうな顔をした。
まあ今日は恰好からして恒例となっている季節のサバイバルだろうが。
AD「それでは撮影始めますので藤井さん、小瀧さんこちらお願いします」
お決まりの手持ちカメラを渡され、ADの支持に従い流星と立ち位置まで向かった。
サングラスを外せば日差しの強さは増し、今から始まる地獄の撮影にため息が漏れる。
青「望覚悟しとけよ。ほんまにしんどいでな」
桃「こっちも流星当たっとったな」
青「淳太とな」
桃「女自衛官!」
話題に出ただけで俺の気分は浮上した。
このロケが終わればメンバーでの収録がある。淳太とも会えると思えば、流星が真顔でしんどいと語る仕事も頑張れそうだ。
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ろん - この後の続きはもう書かれませんか…どうか読みたいのですが… (2022年11月23日 7時) (レス) id: ae5f250457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆい | 作成日時:2021年4月23日 6時