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きっと誰よりも淳太からの愛を求めていたシゲ。
愛の度合いとか人と比べられるもんでもないけど、シゲの淳太に対する愛の重さは知っている。
シゲが俺を特別と言ってくれるように、俺にとってもシゲは特別だ。シゲの想いは淳太よりも先に気づいていた。
なのに、神様は残酷だ。
こんなにも淳太の愛を欲しているシゲを見捨てるのだから。
赤「･･･帰るわ」
シゲはそう言って車のドアに手をかけた。
俺は咄嗟に運転席から助手席のドアのロックをする。それに不審そうにこちらを振り返るシゲの手を握りしめた。
赤「なーんで神ちゃんが泣くんよ」
弱々しい声で無理やり笑顔を作るシゲ。
ボロボロと零れ落ちる涙を拭う事もせずにそんなシゲの手を一層強く握る。
赤「神ちゃん手、痛いで」
緑「やって、」
赤「ふはっ･･･ほんまに双子のシンパシーってあるんかもな」
シゲ、そんなんとちゃうねん。
そんな神秘的な涙ではない。
シゲの淳太への想いが叶わないと知って、シゲの涙を見て、消えてしまいそうなシゲに恐怖して泣いた。
だから、シンパシーとかそんなのではなく自分勝手な涙なのだ。
握った手も、今離してしまったらもう戻って来ない気がして離せない。
赤「あんま長いこと路駐しとると切符切られてまう」
緑「･･･いやや」
赤「いやややんなぁ、やから手離して」
緑「そっちやなくて、シゲいかんとって」
赤「･･･でももう家やし」
駄々を捏ねるように首を横に振り困った顔をしたシゲを見やる。
そんな顔をさせたい訳ではない。けどこの手は離したくない。
緑「シゲ、うち泊まってや」
辿り着いた結論にシゲはより困った顔を濃くして「明日朝からやから無理や」と俺をなだめる。
緑「･･･」
赤「かーみちゃん、明日の収録は一緒やんな？お泊りセット用意しとくで泊まらせてや」
緑「わかっ、た」
ロックを自分で解除して外に出たシゲはもういつもの顔に戻っていた。それが余計に俺の不安を掻き立てる。
･･･大丈夫、明日には会える。
明日はシゲの好きなもの沢山作って夜が明けるまでシゲの話しを聞こう。
思い起こせば淳太を好きになったキッカケもシゲかもしれない。シゲが好きな淳太が好きだった。
メンバーに依存し始めたのもシゲが守ってくれた場所だから。
後付ではあるがそう考えると納得いく事も多い。けど、俺の本音なんてどうでもいい。
今はただシゲが今までと変わらない笑顔で笑ってくれるよう側にいよう。
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ろん - この後の続きはもう書かれませんか…どうか読みたいのですが… (2022年11月23日 7時) (
レス) id: ae5f250457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい | 作成日時：2021年4月23日 6時
