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驚いた。
自分ですら今日気づいたのに、シゲは俺の感情を知っていた。
緑「･･･シゲいつから気づいとったん？」
赤「いつからってのはよう分からんけど、ってか神ちゃん自分で気づいとったんや」
緑「淳太んちで今日気づいた」
赤「淳太にも言ったん？」
緑「おん」
赤「そっか。神ちゃん、頑張ったなー」
シゲの大きな手が俺の頭を覆いわしゃりと撫でる。横目でみたシゲはうんと優しい顔をしていた。
されるがままに俺は視線を前方に移し、シゲが住む町に向かうべく交差点を右折した。耳が少し熱くなったのは髪を切ったせいでシゲにはバレバレだろう。
緑「･･･シゲはさ、昔から人の気持ちに気づくんがうまいよな」
赤「んな事ないで？神ちゃんは特別。やっぱずっと一緒におったから何となくやけど、やっぱ分かってくんねん」
緑「双子のシンパシー的な」
赤「いつから俺と神ちゃん双子なったんよw」
緑「例えやって」
赤「例えが神秘的すぎるわw」
ケタケタと笑うシゲに釣られて俺も笑った。
結局何で分かったのかはよく分からないままだが、別にそこまで深く聞きたかった訳でもないので話を掘り下げはしない。
どちらかと言うと俺が聞きたいのは淳太の気持ちにも気付いているのか。けど、それを聞いてしまうとシゲがガラスの置物を落とす様に粉々に壊れてしまいそうで聞けはしない。
緑「ほい、とーちゃく」
赤「おー！ほんまありがとう！」
緑「こんくらいお安いごようやで」
赤「なあ、神ちゃん」
緑「ん？」
赤「淳太、神ちゃんには誰選んだか言っとった？」
別れ際、シゲはか細い声で聞いた。
やっぱり淳太の気持ちの変化にも気付いていたのだ。きっと、淳太が誰を選んだのかも。
俺は左右に軽く首を振り不安に顔を歪めるシゲを見やった。
緑「聞いとらんよ」
赤「･･･」
緑「ほんまやて、淳太も自分の気持ちまとまっとらんみたいやし」
赤「神ちゃん･･･たぶんな、」
緑「シ、ゲ･･･」
助手席で俯くシゲの頬に一筋の涙が流れる。
静かに、でも感情をめいっぱい籠めて泣くシゲに俺は目を見開く。
赤「たぶん失恋してもうた」
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ろん - この後の続きはもう書かれませんか…どうか読みたいのですが… (2022年11月23日 7時) (
レス) id: ae5f250457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい | 作成日時：2021年4月23日 6時
