愛されJW最年長 (ページ9)

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Side 重岡

(なんやねん、皆)

誰かの気持ちを否定する気はない。
それでも、淳太への思いを語る三人が腹立だしくて仕方がない。

これまでお互いの気持ちに気づきながらも敢て口に出す事はなかった。俺自身も淳太への思いを誰かに話さず、ひたすら胸の中で育ててきた。

(それなのに、今さらなんやねん)

「俺が一番淳太を好きなんや！誰も淳太を取るな！」そう叫びそうになる衝動を抑え、溢れそうになる涙を引っ込める。
この場に居続けると我慢が出来なくなりそうで、俺は小瀧に先程教えてもらった洗面所へと足を向けた。

洗面所に綺麗に畳まれた淳太と神ちゃんの服が余計に俺を苛立たせる。

がらっ

必要以上に強い力で浴室の扉を開くと、そこには淳太と神ちゃんが密着して浴槽に浸かっていた。

(なんやねん、ほんまなんやねん！)

まさにキャパオーバーである。
浴槽の神ちゃんの腕を引っ張り、代わりに服のまま浴槽にダイブした。

黄「うぉ！何しとんねん自分！」

状況が飲み込めない淳太が大声を上げた。
頭の上にクエッションマークを山ほど浮かべる淳太の姿に普段であれば5歳児並みの一言で笑いを取りにいくのだが、今回ばかりは余裕がない。

赤「……」

黙ったまま淳太の首に腕をまわししがみつく。淳太の体温とお湯の温かさがじんわりと広がった。
黄「……神ちゃん、悪いんやけどフロントで替えのナイトウェア借りてきて」
何も喋ろうとしない俺の背中を子供をあやす様に淳太の手が触れた。
トントン、トントンと背中を叩かれると気持ちが少し落ち着いてくる。

赤「淳太、オカンみたいやな」

黄「こんな手のかかる子供いらんわ」

赤「嘘、淳太をオカンなんて思っとらん」

トントン、トントン

淳太が背中を叩くたびにお湯が波打つ。
それが顔に触れ、結局溢れ出た涙の線を消してくれた。

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