愛されJW最年長 (ページ43)

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きょろきょろと首を動かし目的の人物を探していると、洗面所から水の流れる音がした。

桃「やっぱおった…お勤めごくろーさん」

顔を洗う後ろ姿に予感的中とばかりに嫌味をぶつけてやる。俺に気づいたものの何の事か分からないシゲは訝し気に眉根を寄せた。

赤「おはよーさん、お勤めって何やの？」

最初から説明する気もない俺は、「淳太おらんねんけど、どこ行った？」と話しを逸らした。シゲも深く追及するつもりもないらしく、タオルで顔を拭きながら布越しのくぐもった声で答える。

赤「下で寝なおすってさっき降りてったで」

桃「えーおはようのキスしよう思っとったのにー」

赤「あほ、誰がさせるか」

言った言葉は本気だろう。しかし、シゲは俺に対して棘がある訳でもなく笑ってみせた。
ニコニコ天使ちゃんの名は伊達じゃない、屈託のない笑顔だ。

赤「なんや小滝はそんなキスしたいんかー」

桃「やってシゲと照史だけずるいやん」

赤「まだそれ言うとるのかい」

桃「俺もちゅうしたいねんもん」

「お前もしつこいな」シゲはそう言って俺に向き直った。さっきと違い目が笑っていないように見えた。

桃「シゲ怖い」

思わず口についたのは俺の本音で、シゲも自覚があるのか驚きもせず口の笑みだけを濃くする。

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