愛されJW最年長 (ページ37)

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第1.5章　濱田の本気ページ37

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濱ちゃんの部屋に向かう前、一階まで降り自販機でコーヒーを購入した。エレベーター内で出張できているであろうサラリーマンと一緒になったが、顔バレはしなかった。

自分の認知度もまだまだだと痛感し、俺は濱ちゃんの待つ部屋に急ぐ。

やはり世間の認知度をあげるならばドラマや映画なのか、でも演技とかもう何年もまともにはしてないな、オファーきたらどんな役でも頑張るんだけどなー。

くるりくるりと思考を巡らせていれば、あっという間に濱ちゃんの部屋の前に着いた。
有言通りにU字ロックで隙間の出来たドアを片手で軽く押せば、キキと古びた音と共にドアは部屋側に開いた。

黄「･･･寝とるし、不用心なやっちゃな」

シングル使用の部屋の真ん中に設置されているベッドの上、濱ちゃんは力尽きたように体を斜めに寝ていた。
変に空いた空間に腰を降ろし、濱ちゃんの顔を覗き込む。と、思いもよらず目があった。

黄「うお、起きた」
紫「･･･んー」
黄「扉開けてねとったら危ないで」
紫「んー」

黄「日本語しゃべってやー」

眠さでいつも以上にふわふわした返答にくすりと笑い、買ってきたコーヒーを濱ちゃんの頬に押し付けた。
突然の熱に驚いた濱ちゃんは一気に覚醒したようで、小さな目をぱちくりと動かした。

黄「コーヒー、ブラックで良かった？」

昔から濱ちゃんと過ごす時間は実際よりゆっくり流れて、とても心地よい。
本題に入る前にもう少し、この穏やかな時間を過ごしたくて俺は買ったブラックコーヒーを寝転んだ濱ちゃんのおでこに乗せた。

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