愛されJW最年長 (ページ22)

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side 神山

怒りや嫉妬とは別の何だか黒い感情が心に流れた。目に映るすべてがモノクロな世界に変わる。

否定されたくないと思っていた淳太への好意はそもそも伝わってすらいなかった。
ひた隠しにしてきたのだから当然なのだが、その事実に言いようのない寂しさがこみ上げた。

緑「関係ない訳なないやろ、俺かて淳太が好きなんやから」
黄「えっ」

俺の話しが予想外だったのか、振り返った淳太は元々大きな目をより大きく見開いていた。

青「俺かて神ちゃんと一緒や。関係ないとか言われたないわ」
黄「で、でも流星怒って
青「そら好きなやつが他の男とキスしとるの見せつけられたんや、誰でも機嫌わるなるで」

桃「淳太鈍感すぎんねん！ここに淳太に好意もっとらんやつおらんで」
黄「のんちゃ、ん･･････」

流星、のんちゃんが声を荒げた。
これできっと全員の気持ちが伝わっただろう。淳太は動揺を隠せないという風に近くにあったコップの中身を口に流し込む。

緑「はぁ･･･淳太、コーヒー飲む？」

黄「えっ？」

緑「みんなも一度落ち着こうか、自販機で買うてくるから淳太と濱ちゃん手伝ってや。他のみんなはその辺片しといてな」

軽くパニックを起こす淳太と未だに立ったまま俺たちを悲しみの含む視線で見ていた濱ちゃんをその場から連れ出そうと声を掛ける。
入り口付近のクローゼット内から三人分の靴を出し、元々居たテーブルを見れば淳太と濱ちゃんがこちらに動き出していた。

緑「雨降っとったなー」
黄「･･････」
紫「･･･」

会話に入らない二人を他所に俺は自販機までの道を一人喋り続けた。
他愛もない事で口を塞いでおかなければ、未だに俺の中で燻る黒い感情が淳太を責め立てそうだから。

緑「今日のロケ、きつかったわー。シゲとのんちゃんがまた悪ノリするからロケ長引いてもうたし、濱ちゃん相変わずアホやし。でもオンエアー楽しみやな」

緑「せや、この前のラジオでな面白いメールあってん。流星一緒におったけどむっちゃ笑えたで･･･ーー」

緩やかな下降感の中、1階にある自販機を目指す。話し続ける俺の声に被せるように、チンと音が響きドアが開いた。

紫「神ちゃん、連れ出してくれてありがとう」

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