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照史たちの気持ちが嬉しかった。
言葉に嘘はなかった。俺にとってグループが組まれたその日から、他人で6人以上に大切な存在は一回も出来ていない。
恋愛対象としてなのかは恋愛経験の浅い俺には分からないが、6人を同様に大事に思う気持ちは多分グループ愛だろうと自分に言い聞かせた。
だが、照史とシゲのキスが俺の答えが間違えだと一瞬で白紙に戻す。
甘い感情が注ぎ込まれ、今にも「好き」と動きそうになる俺の口は、目の前の流星の怒りを帯びた瞳にキュッと閉じた。
火照った顔の血の気が一気に下がる。
黄「シゲ離して!」
シゲの胸を押し密着した体を無理やり離す。途中シゲの「いやや」という小さな反抗が聞こえたが、「ごめん」とシゲを拒絶した。
黄「俺は誰の気持ちにも答えられへん」
赤「こんな反応見せられて納得するわけないやろ!」
橙「淳太くん素直になってや」
黄「・・・これが俺の素直な気持ちや。さっきも言うたけど、グループとしてこれからも皆と活動したいんや。俺が話はじめたことやけど、関係のない流星や神ちゃん、のんちゃんにこれ以上迷惑かけたくない」
既に巻き込み不快な感情を与えているのは流星を見れば分かる。きっとのんちゃんや神ちゃんも似たような思いを持ち眉を潜めているのだろう。
申し訳なさが募り俯いてしまう。
照史やシゲや濱ちゃんを恋愛対象として見ていたとしても、俺はきっと一人を選べない。
そんな不順な自分が嫌で、それ以上に流星たちに嫌われるのが嫌で、でもこれ以上照史たちを傷つけたくなくて、頭の中がぐちゃぐちゃになる。
自分の発言が正しいのか、自分ですら分からなくなってきた。
緑「ちょっと待って。関係ないって何?」
膝に視線を向け次に発言すべき言葉を選んでいると、真後ろから神ちゃんが静かな声で話しに入ってきた。
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作者名:ゆい | 作成日時:2021年2月5日 4時