愛されJW最年長 (ページ18)

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Side 桐山

橙「淳太くん、気付いとったんやな」

立ち上がりベッド横のテッシュ箱を片手に淳太くんの隣にあぐらをかいた。

何枚か箱から引き出されたティッシュの束。淳太君に渡した乾いたそれは流れる涙で一瞬で色を変えた。

橙「･･･ありがとな、男からの好意なんて気持ち悪いって思っても可笑しないのに、真剣に悩んでくれてありがとう」

淳太くんに気付かれているとは想像もしなかった。知れば何かしらのアクションがあると勝手に思い込んでいたのだ。

勝手に抱いた俺の想いが淳太くんを苦しめている事実にこの場から消えたくなる。

黄「っ！気持ちわるいなんて思ってへん！」

淳太くんは言い、首を振った。

茶色い柔らかい髪が左右に揺れ、淳太くんの目に掛かり表情を隠す。だが、隙間から覗く瞳は真っ直ぐに俺を捕らえている。

黄「照史たちの気持ちはほんまに嬉しかってん」

いつの間にか外は激しい雨が振りはじめ、開いていた窓から雨粒が入り込んだ。
窓際に座っていた濱ちゃんが立ち上がり、濡れた床を裸足で踏み窓を閉めた。

紫「淳太、それは残酷やで」

言って濱ちゃんは泣く前の顔をした。濱ちゃんの言葉はこの場にいるみんなの代弁だ。

淳太くんの一言で希望などないのに期待してしまう。

黄「せ、やな･･･けどほんまに気持ち悪いとか思っとらんから」

橙「ほんま淳太くんは優しいな･･･だけど淳太くんわかっとらんで」

体を震わせうつむく淳太くんの涙を今度は自分の指で拭う。指に触れた淳太くんの体温は酷く熱く感じた。

黄「えっあき･･･ん」
橙「俺らの好きはこうゆうの込みで好きやで。男にこんな風に思われて気持ち悪ない訳ないやん」

一瞬だけ触れるか触れないかの淳太くんの唇の感触。

今までならばそれだけで飛び上がる程嬉しくなったが、今はこの後に淳太くんの口から出るであろう嫌悪の言葉に恐怖した。

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