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ふわふわと撫でてくれる手。

誰だろう…って掴んでみたら、その手は意外と小さくて、ぷにぷにで、守ってあげたい手だった。


ジェ「おはよぉ…。いたいの、ハァッ…ない?」

「おはよう。ねぇねは大丈夫だよ〜。ありがとう。」


酸素マスクを曇らせながらも笑うジェシーの優しさが愛おしくて、少しでも楽になるように忙しなく動く胸を摩る。

また少し細くなった腕に繋がる点滴が、早く効いてくれますように…。


ジェ「おみず、のみたぁい…。」

「はーい。ベッド少し上げるね〜。ちょこっとずつね、ゆっくり〜ごっくんして?」

飲み込む力が弱くなってるから、とろみがついているお水をスプーンでひと口ずつ。

酸素がないと苦しいから、途中でマスクも付けて、またお水…。


なんでも自分で出来る様になっていたジェシーを見ていただけに、事故直後の姿を思い出してしまう自分が嫌い。

ジェシーが1人の時に何かあったらって思うと、そばを離れることが怖くて仕方なくなっていた。





京本「ジェシー…?あ、また寝ちゃった?」

「うん、さっきお水飲んで、おしゃべりしてたら寝ちゃった。」

京本「お水飲ませてくれたの?ありがとうね。」

静かなノックの後に入ってきて、ジェシーの周りの機械を見ながらポチポチとパソコンのキーボードを叩くたいちゃん。

ジェシーの頭を撫でたついでに、私の頭も撫でてくれるから、恥ずかしくなってベッドに伏せちゃう。




京本「A、お昼ごはんは?まだなら一緒に食べよっか。」

「んー、お腹すいてないからいいや…。」

京本「そー?じゃあさ、俺ののお昼ごはん買うの手伝ってよ〜。ひとりでコンビニ行くのさみしいんだけど…。」

「えぇー?しょうがないなぁ…。あ、でも、ジェシーひとりになるから、やっぱりダメ。ひとりの時に苦しくなったら、助けてあげられない…。」


さっきみたいに苦しくなったら大変。
ナースコールを押せないかもしれないし、眠ってる間に何が起きるかわからないんだから…。


京本「じゃあこれだけでも食べなさい。いい?ねー、聞いてんのぉ?」

はいはい、分かったって。
右手に握らされたゼリー飲料は、とりあえず机の上。


京本「食べてなかったら点滴だからねー!」
ぶつぶつ言いながら病室を出て行くたいちゃんを見送って、小さな手を優しく握る。

無意識なんだろうけど、きゅっと返ってくる手のぬくもりが、私の心を落ち着かせるんだ。


がんばろうね、ジェシー。
ねぇねが守るからね。


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(プロフ) - 更新ありがとうございます!次回も楽しみに待っています (5月5日 22時) (レス) @page35 id: a83a9d93f0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新ありがとうございます!そして、感動をありがとうございます! (8月16日 19時) (レス) @page30 id: 7007161c36 (このIDを非表示/違反報告)
結夏(プロフ) - 更新ありがとうございます!!ほぼ毎日何度も何度も読み直しています!きなりさんのお話大好きです!応援してます! (8月16日 6時) (レス) @page30 id: 27b7b36f37 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 数日前からまた1から読み返していたばかりだったので、新しく更新されていてとても驚きました!!すごく嬉しいです🥰これからも無理のない程度に楽しみながらお話をあげてくださると嬉しいです!応援しています🫶 (8月16日 1時) (レス) @page30 id: c72fa43d6e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 更新されたこと、とても嬉しいです。ありがとうございます。きなりさんのペースで、また物語を紡いでくれたらと思います。 (8月15日 23時) (レス) @page30 id: 607ec5cd06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなり | 作成日時:2022年6月20日 20時

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