STory 6 (ページ8)

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高地side

点滴を頑張ったおかげか、うまく甘えられたおかげか、夕方には熱も下がって夜ご飯ももりもり食べるくらいに元気が出てきたジェシー。

やくそくしたじゃん！って、Aとソファーに座ってDVDを観る後ろ姿が可愛くて、樹なんて無音カメラのアプリをインストールしたくらい。

ジェ「あっ！わすれてた！アイスもやくそくしたのにっ！」

A「あはは！そうだったね〜！」

「持ってきてやるから、そこ座っとけ〜。」

買い置きしてあるアイスを両手に抱えて持っていく俺も大概かもしれないけど…。

ジェ「おれこれ〜！あ、でも…やっぱりこっち、んや、こっち？」

机に並べられたアイスを取って戻してを繰り返すジェシーに、耐えられなかった笑い声があちこちから漏れる。

北斗「も〜！食べたいの全部開けな？みんなで食べよっか。今日はとくべつ！」

ジェ「ほんとにぃ！？やったー！じゃあこれはほくとで、これはじゅり…」

俺ら全員にひとつずつアイスを配って、パクッとひと口ずつ貰って。

自分の選んだチョコアイスを口の周りにべったりくっつけてケラケラ笑う姿は、昔と何も変わらない太陽みたいなジェシーだった。

森本「ふふっ…そろそろ寝よっか〜。またお熱出たら大変だ！いそげいそげ！」

アイスを食べて、歯磨きを終えた頃には瞼が閉じかけていたジェシーは、慎太郎に抱っこで回収されてベッドへ。

あ。

「A、吸入忘れてる。寝る前にやっちゃえよ？」

A「んぁ、そうだった…。どこやったっけ？」

田中「うい、ここですよ〜。」

樹から吸入器を受け取っていつも通り吸入をしたA。その横に、部屋から出てきたジェシーがちょこんと下ろされた。

森本「Aのとこ行きたいって泣いちゃったから、ちょこっと相手してやって？」

慎太郎の言葉通り、涙目のジェシーの目線の先には震えるAの手。

動かしにくい左手を必死に動かして、震える手をぎゅっと包み込もうとするけど、なかなかうまくいかない。

でも…。それで、いや、それがいいんだもんね。

A「ふっ…ありがとね？ジェシー。前からずっと手繋いでくれてたもんね…。」

ジェ「ん。もっともっと、ぎゅーしたいのに、できなくて、ごめんね？」

A「ぜーんぜん！ジェシーが隣にいてくれるだけで、じゅーぶん。…たくさんありがとう。」

A「ジェシーは私の、いちばんのヒーローだよ。」

泥臭くても君は光ってる。
“only one な super hero”