STory 6 (ページ48)

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久しぶりの学校は、前期試験に向けて空気がピリピリしていて、ちょっと苦しいくらい。

空き教室なんて無いくらいにみんなが分散して勉強してるから、結局私の行き着く先はここしか無いみたい。

というか、お腹いっぱいできもちわるい…

照「ちょっとー、本当に大丈夫か？何をそんなに食べたのよ。」

「あー、背中さすんないで…。おにぎり、こんくらいの、2個。1個じゃ学校行かせないって、鬼こーちが言ったから…。」

照「いや、その大きさじゃ4個がノルマだな。高地の愛を無駄にすんな？ほい、お茶飲んでちょっと休んどけー。」

にーっと笑ってとんでもないこと言うひーくんは、今日も最強だ、うん。

落ち着いてから職員室に行って、久しぶりの大ちゃんと面談。

大野「まーた痩せたな、ちゃんと食ってっかぁ？ほら、特別にやるから、糖分取れ！糖分！」

コロコロと転がってきたのは、前にも貰ったチョコ。
ありがたく口に入れて、残りはポケットに放り込んだ。

大野「んで、第一志望はS大で変わりないか？自己採点の結果見て、五分五分ってところだけど…本当にS大だけしか受けねぇの？」

実は、かなり頑張ったつもりのセンター試験は、良くも悪くもなくて、強いて言えば平均点よりちょこっと上。
なんだか私らしくて笑えるって、熱のある頭で考えてた。

「うん。大学行くならS大って決めてるから、チャンスは一回だけ。一点集中！私らしいでしょ？」

大野「まぁ、お前がそう言うんなら俺には止めらんねぇしな〜。よし、やるぞ〜、一点集中。」

えいえい、おー！ってしてから、恥ずかしいなって笑う。
久しぶりの感覚が、すごく嬉しかった。

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照side

静かな保健室に響くのはカリカリと鳴る鉛筆の音と、次第に回数の増える咳の音。

いつもならストップをかけて休ませるんだけど、なんせ今は時間を測って過去問を解いてる最中。

俺が立ち上がる音にも気づかないくらいに集中してるAには、自分の咳の音なんて届いてないんだろう…。

カタンと音がして鉛筆を置いた途端、ふら〜っと倒れこむんだから、慌てて抱きとめた。

「初日から飛ばしすぎ。力抜いていいから、深呼吸な？」

絶え間なく続く咳の間に薬を吸わせれば、すこーしだけど改善してきた、かな。

「お迎え呼ぼうか？北斗来てくれるってよ。」

落ち着いたタイミングでベッドに横になれたAは、まだできるってさ。

そんな強い目で言われたら、俺なーんも言えないじゃん。

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