STory 6 (ページ21)

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為すべきを為せページ21

北斗side

ジェ「きょうね！ラウくんがね、いっしょにごはん、食べてくれたの！」

田中「まーじで？やったじゃん！ちょっとずつ、慣れてくれたら嬉しいね。」

ジェシーが支援学校に転入して1ヶ月。
同じクラスのお友達は自閉症を抱えていて、基本的にハイテンションのジェシーにとって少し関わり方が難しいかもしれないって向井先生には言われていた。

面と向かって「うるさい」って言われた日には、泣きそうな顔で帰ってきたからびっくりしたけど。

それでも、どうしたらラウくんが苦しくないかな？って一生懸命考える姿は、仲間想いで優しさに溢れていた。

ジェ「あしたも、いっしょに食べようねって約束してきた！」

「そんなお話もしてきたのー？すごいじゃ…

ガタッ！！！

ダンダンダン…バタン！

さっきまでの楽しい雰囲気はどこへやら。
しーーんと静まり返ったリビングに、高地のため息が響いた。

ジェ「あっ…、ごめん、なさい。」

口に手を当てて縮こまるジェシーに、思わず俺も樹も苦笑い。

高地「もー。イライラするなら最初から自分の部屋でやれっての…。ジェシーのせいじゃないから、な？」

ジェシーの調子が良くなったかと思えば、次はAの調子が悪くなる。なーんでこう、上手くいかないかな。

少し前から勉強が捗ってないなぁとは思ってたけど、こんなにイライラすんのは今日が初めてなんじゃない？

大好きな弟、泣いてますよ？おねーちゃん。

さて、えぐえぐと泣くジェシーは樹に任せて、俺はお姉さんの方に行きましょうかね…

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バタン！バサッ！

勢いよく扉を閉めて、参考書を投げつけた。んだけど、イライラはちっともスッキリしないし、むしろ、ぞわぞわと不安が襲ってくる。

結構おっきい音、たてちゃったかも…。
あれ、ジェシー喋ってなかったっけ…？
あぁもう！どうしよう…！！

北斗「おーい、それ苦しいでしょ。イライラしてないで出てきなさーい。お前はもう完全に包囲されているー。無駄な抵抗はよしなさーい。」

…ほくちゃん、やだ

北斗「ほーら。苦しくなる前に出てきなさいって。」

「っ…ｸﾞｽｯ…やだぁ！」

北斗「っと…！んも〜。泣くくらいなら最初からしないの。」

私の精一杯の抵抗を一瞬で剥ぎ取ったほくちゃんにムカついて、その胸に思いっきり飛び込んでやった。

私だってあんなことしようと思ってなかったもん…。
わかんないの。
どうしたらいいか。

おしえてよ、ほくちゃん。

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