STory 6 (ページ18)

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ジェシーside

だいすきだった学校。
おれがリハビリしている間に、みんなは2年生になってて、先生もかわってた。

それでも、クラッチでがんばってあるいて、ニノ先生とたくさん練習した階段も、ゆっくりだけどがんばった。

友だちもびっくりしてたけど、前みたいにしゃべってくれたから、うれしかった。

だけど、鬼ごっこはできないし、たいいくもできない。
みんなからは、かわいそうって言われるんだ。

なんでジェシーはできないの？って言った男の子は、先生におこられてた。
どうしておこるの？

じこでココ、うったからだよって、見せてあげたら、言わなくていいのよってさ。

じぇしーってかわいそう。
じぇしーにはやさしくしなきゃなんだよ。

階段からおちたのもこわかったけど、そんな声がきこえてくる学校がいちばんこわかった。

森本side

樹におんぶされて帰宅したあの日から、捻挫した左足が痛いからって学校を休んでいるジェシー。

もう痛みもないと思うんだけど…って言う樹が心配してるのは心の方。

「ジェシー、足どんな～？まだ痛い？」

みんながいるリビングでそう声をかけたのは、俺の賭けに乗ってくれると思ったから。

ジェ「んん…。いたい、よ？」

「そっかそっか…。こんなにずっと痛いの慎ちゃん心配だから、明日一緒に病院いこっか。阿部ちゃんがおいでーって言ってたよ？」

そう言うとわかりやすく目を見開いて、いかない！ってさ。

「でもこのままずーっと痛いのは怖いもん。なんか違う病気なのかなって、ちゃんと検査してもらお？」

ジェ「っいい！だいじょうぶ！病気じゃないもん！」

「えぇ…じゃあそのままにしてて、怖い病気になって、たくさん注射して、たくさんお薬飲まなきゃいけなくなってもいいの？」

田中「病院嫌なら、クリニックで高地に注射してもらおうか？いたーい注射。」

俺の言葉に輪をかけて樹がそう言うと、みるみるうちにかわいい瞳に涙がたまって、ついにはぽろぽろと零れ落ちた。

A「やだったねぇ～樹くんたちこわいねぇ～。」

おい、笑ってんのバレバレだからな！

俺たちの作戦を知ってか知らずか、わんわん泣き出したジェシーを抱きしめたA。
その腕の中で語られたジェシーの本心に、なんだか俺も泣きそうになった。

―みんなとちがう。おなじじゃないって。
―おれは、かわいそう、だって。
―やさしく、してあげなきゃって。

―もう、がっこう、いきたくない

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