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ふぅ…
3日ぶりの制服に袖を通して、気合を入れる。
大ちゃんからも、なまえや恭平、他の仲良くしてくれているクラスメイトからも、大丈夫だよってメッセージが入っていたし、ひーくんは朝から保健室に来てもいいよって言ってくれた。
だけど。
この3日間、みんなにたくさん抱きしめてもらって、パワーを分けてもらって。
右耳にはママとおそろいのピアスと、パパのピアスを一個ずつ。
そして、左耳には新しくもらったパワーの源。あんまり目立たないようにってみんながくれた小さなダイヤのピアスをふたつつけた。
Aは原石なんだよ、もっと輝いていい。
そう言ってくれたみんなの思いを無駄にしたくないから。
「いってきます！」
田中「いってらっしゃい。負けんな、A。」
にやって笑う樹くんの拳に、自分の拳をぶつけた。
なまえ「A！おはよ！だーいじょうぶだよ…。うちらついてるから。」
教室のドアを開けようとして、あと少しだけ、あと少しの勇気が出なかったとき。
隣に立ったなまえがそっと手を握ってくれた。
恭平「うっし！いくか！」
恭平が、バシッと背中を叩いてそのままドアを開けてくれた。
あ…、もう来てる。
バチっと目が合って、どんどん近づいてくるあの子に、つい逃げたくなったけど。負けんな、A。
―あ、あのっ…。ごめんなさい！言っちゃいけないこと、いっぱい…！
勢いよく頭を下げた彼女の手は、かわいそうなくらいに震えていて。
あぁ、この子も私と一緒で怖かったんだなって、そう思ったらなんだかどうでもよくなった。
「も、いいよ。私も、ちょっと甘えてたとこ、あったし…。受験、頑張ろうね。」
―…ありがとうっ。
これあげるって渡された紙袋には、私の好きなチョコがたくさん入ってた。
なまえ「Aの好きなお菓子教えてって泣きつかれたからさ〜？教えてやったわ。」
だから私もいっこもーらい！ってチョコを取るなまえに、だいすき！って抱き着いた。
大野「だからってピアス4個はさすがにつけすぎ。せめて2個な。今日は見逃してやっから。」
岩本「2個ならいいんすね。わっかんね〜。」
お世話になった二人にもチョコのおすそわけをしたら、ほんとに先生？って話題で盛り上がるから、こっちも笑えてくる。
「ほんとに、ありがとう。あと一年、頑張るからよろしくお願いします。」
大野「おう。お前の夢叶えるまで、負けんなよ。」
もう、負けない。
両耳のピアスに誓った。
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みーちょん(プロフ) - いつも読み直しては癒されてます!!素敵なお話ありがとうございます!!!! (2022年3月22日 9時) (
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作者名：きなり | 作成日時：2022年1月30日 0時
