STory 6 (ページ15)

今日:71 hit、昨日:39 hit、合計:218,988 hit

７ページ15

田中side

「最近どうなの？変わらず？」

北斗「まあね。ぼちぼちってとこかな…。でも、前回から薬減ったし、斗真先生もだいじょうぶって言ってた。」

「そ。ならよかったわ。今日の晩飯何かな～？」

森本「俺カレーに一票！」

北斗「え～、肉じゃがに一票。」

北斗のカウンセリングの時間を俺らの退勤時間に合わせてもらって、珍しいメンツで帰宅中。

今日は高地が家にいるからな。
俺もカレーに一票かな…なんて話しながら帰った家は、想像以上だった。

A「やだぁ！しないってｯｺﾎ、ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ、やぁー！」

高地「お、やっと帰ってきた…。とりあえずネブライザーしたいから誰か抑えてくんない？」

顔を真っ赤にして泣き叫ぶAと、そんなAを膝に抱えてげっそりの高地。

状況を瞬時に理解して、暴れるAを後ろから抱え込んだ北斗と、いまだ動く顔を抑えて優しく声をかける慎太郎。

どんなに嫌がっても身体は正直で、肩で息をしていたAもしばらくすれば落ち着いてコテンと高地の胸に倒れこんだ。

北斗「なあに、甘えんぼになってんの？」

高地「昼寝の後から発熱して、そのままやだやだAちゃんになってんの、ねー？」

そう言ってAの頭をなでた高地が目で訴えてくる。
えー、おれがやんの？もう…！

「ごめんな～？１０で終わりね…」

高地にピッタリと張り付くAの背中にステートを滑り込ませると、ダイレクトに響く泣き声に思わず苦笑い。

森本「A、しーだよ？１０で終わるって、いくよ？いーち、にー、さーーん…」

それでも、慎太郎の声を聞いて頑張って我慢してくれたから、ささっと聴診を済ませる。

「ん、おっけ。吸入効いたみたいね、まだ喘鳴聞こえるけど寝る前にもう一回吸ったらいいかな。んふ、なーに？はいはい、よくがんばりました！」

高地の腕の中からこちらを見上げるお嬢さん。
頭を撫でてやると、んって両手を差し出してくるもんだからじゅったんメロメロよ。

高地「っあー！やっとトイレいける！樹お願いね！」

バタバタと走ってトイレに消えた高地を見て、キャッキャ笑うかわいいやつ。

北斗「やっぱカレーだった(笑)」

ジェ「たいがと、おれがつくった！めっちゃ、おいしーよ！」

京本「ふふっ、お手伝いありがとうね、ジェシー。」

キッチンから聞こえる声と匂いに、思わず俺の腹が返事をする。

ふふっと腕の中から聞こえる笑い声が愛しくて、もう一度ぎゅーっと抱きしめた。