2 ページ42
北斗side
んわっ!もー!っん!
数日前から春の陽気にやられているA。
今年は一段と酷くて、鼻詰まりのせいで眠れないわ喘息は出るわ…。擦りすぎて真っ赤になった目のせいで、隈の濃さが際立つのも見ていて可哀想なくらい。
そんなお嬢さんは、いま。
奇声をあげながら目薬と格闘中…。
「だから、さしてやるって言ってるでしょ…!ほい、貸してみ?上向いて…」
瞼を軽く押さえて目薬をさすと、ん゛ーって声を出す。だいぶ炎症おきてるから、沁みるんだろうな…
アレルギーの薬を飲んで、点鼻薬を終えた頃には寝不足のせいで頭がぐらぐら揺れ出して。
呼吸がしやすいように、ギャッチアップしたベッドへそっと寝かせて仕事に戻った。
.
ほくちゃんがお仕事に行ってから、うとうとしては咳で起きて…またうとうとして…を繰り返す。
ベッドに横になってるのも苦しくて、起き上がってスマホをぽちぽち…
高校への復学まで残り半月に迫った今。頑張ろうって思えた時だけ、慎ちゃんとお話しながら制服に触ったり着てみたり…
まだ怖くなることもあるけど、少しずつ前に進めてる気がする。
"なまえ"
"Aー!!大ちゃんがこっそり教えてくれたんだけど!!4月からもうちら同じクラスだってー!!"
"恭平"
"俺も一緒やからなー!!安心せーよ!"
…えっ!!
急に入ってきたメッセージに、思わず声をあげてしまったけど、じわじわ感じる嬉しさに頬がゆるむ。
北斗「A〜?大丈夫?なんかあった…?」
「あ、ごめん。うるさかったよね…?嬉しいこと、あった!」
北斗「なーに、なんかゆるゆるじゃん?後で聞かせてね…。」
ふふって微笑んだほくちゃんは、もうすぐ京本も帰ってくるからって言って出て行った。
嬉しい…!
不安しかない学校だけど、また2人と一緒だと思うと頑張れそうな気がする。
気分が良くなると、不思議と体調も良くなった気がして。
昔から知ってる受付のおばちゃんに声をかけて、まだやってないはずの洗濯と、お昼ご飯を作るために家に帰ることにした。
高地「A!薬忘れてる!何もしなくていいから、大我とゆっくりしてろよ!」
裏口のドアを開けた途端に後ろから高地の大声と、ジョージが飛んできた。
ーなんかあったら電話なぁー!
ー高地うるせぇよ!
わかってるって…!
絶対クリニックのみんなに聞こえてるし(笑)
苦笑いで振り向くと、多分私と同じ顔をしたたいちゃんがドアの前に立っていた。
.
596人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きなり(プロフ) - こころさん» 嬉しいコメントありがとうございます…!!こうして言葉で伝えてくださると、とても励みになります^^楽しんでいただけるように、頑張ります。今後もよろしくお願いします! (2021年9月14日 22時) (レス) id: d102b3716c (このIDを非表示/違反報告)
こころ - いつも楽しく読ませてもらっています!毎日更新されるのが楽しみです。これからも更新頑張ってください! (2021年9月13日 21時) (レス) id: b96a3cc535 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなり | 作成日時:2021年8月28日 23時