外の世界は ページ27
高地「おはよ、A。ご飯できてるよ〜」
「おはよ〜！パパとママにおはようしてから食べるねー！」
ｼｭｯとマッチで蝋燭に火をつけて、線香をあげる。
喘息のある私が煙を吸うことは危険だからって、ほくちゃんが極力煙の出ないものを探して買ってくれたから、半分に折ったものを1本だけ。
…パパ、ママ、おはよう。今日もジェシーを守ってね
北斗「A〜、そのくらいにしよっか。」
それでも、微量の煙が私の気管支を刺激する前にこうやって誰かが声をかけてくれる。
「は〜い。ほくｯｹﾎ、ちゃん…だいじょーぶ！ちょーっとむせただけ！やだ！その目！」
じとーっとした目線を無視して、こーちと朝ごはんを食べる。
今日は久しぶりに3人揃って夜勤の日。朝からのんびりとした食卓に、この後待ち構えていることへの緊張が和らぐような気がした。
"この間はバレンタインのクッキーありがとな。美味かった！大野先生とも話してみたんだけど、一回保健室でもいいから学校来てみないか？"
"誰にも会いたくなかったら、放課後でもいいから。無理しなくていいけど、考えてみて。"
ジェシーのリハビリを手伝ったり、おひさまで課題をしたり、お家でゆっくりしたり。
少しずつ生活のペースが掴めてきて、自分なりにパパとママのことも前向きに考えられるようになってきたつもり。
そんな時に入ったひーくんからのメッセージ。課題の分からないところも質問したいし、久しぶりになまえにも会いたいって思って決めたのが今日。
登校時間とはズラすけど、10時に保健室で待ち合わせ。
北斗「今日学校行ってみるんでしょ？ひとりで平気？」
「うん！久しぶりに電車も乗りたいし、ゆっくり行ってくる…ごちそうさま！お茶碗お水につけてていいからね〜！」
のんびりしてたら、結構いい時間。うすーくメイクして、着替えをする。
久しぶりに袖を通す制服。やっぱかわいいな〜って思いながら、リボンをつけるために鏡の前に立った。
制服を着た自分を見て。途端に蘇るのは、大ちゃんとひーくんに呼び出されたあの時。冷たい部屋。お葬式。
ドクドクって心臓がうるさくて、胸元のリボンをグッと握りしめる。
ふっ…っはぁ！はっ！
喘息じゃないのにだんだん息ができなくなって、足の力も抜けて座り込む。
ガチャン！！！
座った拍子に小物入れが落ちて、大きな音がなった。
息ができなくて、手も震えて、涙も出る。
なんで…？なに、これ…。たすけて…！
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きなり(プロフ) - こころさん» 嬉しいコメントありがとうございます…！！こうして言葉で伝えてくださると、とても励みになります＾＾楽しんでいただけるように、頑張ります。今後もよろしくお願いします！ (2021年9月14日 22時) (
レス) id: d102b3716c (このIDを非表示/違反報告)
こころ - いつも楽しく読ませてもらっています！毎日更新されるのが楽しみです。これからも更新頑張ってください！ (2021年9月13日 21時) (レス) id: b96a3cc535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなり | 作成日時：2021年8月28日 23時
