おかえり ページ1
自分でお休みを決められるようになってから、なんとなくいい感じの日々が続いている。
今日の朝の回診も、たいちゃんと樹くんに褒められるくらい調子が良い!
田中「喘息コントロールも今のところ上手くいってるし、Aがちゃーーんと自分でピークフローもお薬も出来て、リハビリも通えるなら…お家帰ってもいいよ〜?」
聴診器をポケットに入れながら、そう話す樹くん。
おうち…
かえる…?
「えーー!!!ほんとに!?ほんとのほんとに!?」
田中「ハッ!ほんとのほんと〜」
田中「おやすみするのも上手になってきたし。家にひとりの時は、おひさま来て勉強していいって相葉先生言ってたからさ。」
「くふふ〜うれしい!学校も行けるかなぁ〜?」
田中「じゃあ、退院の方向で。いつにするかは、ちょっとこっちで考えとくから。今日は?何する日?」
「今日はね〜おひさまの日!健人迎えに行かなきゃなんだ〜」
田中「あらたいへーん!じゃあ、すぐ終わらせよう!早くしないと健人が来ちゃう!」
なんか変な小芝居しだした樹くん…。
たいちゃん…笑い堪えられてないよ?
たいへんたいへんって歌いながら、ベッドに入ってくる樹くん…。
「なぁにー?…たいちゃん何か、隠してる…。」
京本「はいはい、樹はほっといて〜。お嬢さん、お手を拝借〜。おー!血管も調子いいじゃん?(笑)」
やばい!と思った時にはガッチリ腕を押さえられて、樹くんに後ろから抱きしめられる。
「やーだー!!元気って言ったじゃん!やめっゲホ」
田中「ちょっと…!落ち着けって〜」
検査も大事なの。
これ、良かったら退院だな〜なんて言われたら、我慢するしかないじゃん…。
ほい、こっち向いとけって、樹くんの胸に顔を押しつけられる…
スーっとした後、針が入ってくる感じ。
田中「今日はおひさまで何するの〜?」
「…きょーはね、しょーりせんせの、おてつだい。」
田中「へぇ〜じゃ、ちびっこと遊ぶの?」
「ちがうよ〜お勉強教えてあげるの!」
田中「え、じゃあ今日はA先生になるの?」
「そだよ〜ふふっ健人のせんせーになってくる。」
「ねー、たいちゃんまだぁ…?」
京本「ごめんね〜もうちょっと!いつもより多いもんね、しんどかったら目閉じてていいよ?」
ちらっとたいちゃんの方を見ると、血が入った入れ物が何個もあって…
あー、見るな見るなっていう樹くんの声を聞きながらふわ〜っと目の前が真っ黒になった。
.
596人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きなり(プロフ) - こころさん» 嬉しいコメントありがとうございます…!!こうして言葉で伝えてくださると、とても励みになります^^楽しんでいただけるように、頑張ります。今後もよろしくお願いします! (2021年9月14日 22時) (レス) id: d102b3716c (このIDを非表示/違反報告)
こころ - いつも楽しく読ませてもらっています!毎日更新されるのが楽しみです。これからも更新頑張ってください! (2021年9月13日 21時) (レス) id: b96a3cc535 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなり | 作成日時:2021年8月28日 23時