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プロローグ「空虚」 ページ1
あぁ、鏡よ。この世で一番美しいのは誰だい?
「貴方様です」
このやり取りをしている時の主が大好きだった。
にっこり満足気に笑う美しい顔、「そうかいそうかい」と優しく撫でてくれる細い手。
あの日も
「貴方です」
そう言えば彼女は、醜い老婆の姿で死ぬことはならずに済んだのだ。
彼女は私が殺めてしまったようなものかもしれない。
王女が亡くなってから長い年月が経った。
王国では「あの城には宝があるらしい」と、噂されている。
だが、平穏を求める人間は近付こうとしない。
俺はずっとこの空虚に1人だ。
ここは寒い。
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作者名：梅かつお | 作成日時：2019年4月22日 16時
