2話 ページ3
ラーメンを1人ですすっていると、スマホが振動した。母からのメールだ。
『今日も残業になりそうです。ご飯自分で作って食べて。』
ため息をついて、『はい』と文字を打った。
最近、母は残業続きで家に帰ってこない。もしかしたら、残業というのはポーズで新しい恋人ができたのかもしれない。
「虚しいですな、監督生氏wwwwwwww」
ふと、虚空から声が聞こえた気がした。
監督生、とか聞こえた。それが何かはわからないけど、何故か私のことだとはっきり認識した。
「虚しくないです。」
1人でに呟いて、テーブルに顔を埋める。
「でも、なにか足りないの。」
ふらふらとした足取りで、自分の部屋へ向かう。
鏡に、触れたかった。
なにも考えたくない。でも、なにか考えなくちゃいけない。
頭の中はぐちゃぐちゃで、顳顬が痛む。
縋る思いで、鏡に触れた。
曇った鏡は、ひんやりとして、それでいてどこか暖かい。
こつん、とおでこをくっつけると、ずるずると眠気が襲ってきた。
「グリム…」
視界が暗転し、ふわりと浮かぶ感覚に襲われる。
ここが、この世のどこよりも、安心できる場所に思えた。
「待っててねぇ♡小エビちゃん」
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せりゅう(プロフ) - 、さん» 教えてくださりありがとうございます。外したつもりが、外れてませんでした。本当にありがとうございます。 (2020年6月6日 14時) (レス) id: 6f98464972 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せりゅう | 作成日時:2020年6月6日 13時