Page4:太宰治(後編) ページ4
仕事が終わった帰り道、また不安を抱えながら家に向かう。すると、
「おい、お前、ここで死体を見たんだってな?」
『ひっ!?だ、誰ですか?』
話しかけてきたのは黒服の銃を持った男。十中八九毎夜銃を使っている男。でもなんで、どうして?私に話しかけてくるの?
「ポートマフィアの構成員だよ、知ってるだろ?俺にお前が俺を警察に報告するつもりだと仲間から情報がきたんだ。」
『!?何ですか、それ。私知りません…!』
「まあどちらにしろ可能性は潰すに限る。」
男は私に銃を向けて引き金に手をかける。
(嫌だ、死にたくない…!どうしよう誰か、助けて…。)
「痛ってぇ!「大丈夫かい?」
『…だ、太宰さん?』
気づくと男は太宰さんに取り押さえられていた。その後、太宰さんは警察を呼び、男を気絶させてその場を離れた。
「危なかったね。今日君の家に行こうと思ったら君と男が見えてね。」
私は安心して涙が溢れてきた。太宰さんは震える私の手を握ってくれた。
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それから一週間後、私は太宰さんからの告白を受けた。そして同棲することとなった。私はすっかりトラウマになってしまって、前よりも不安に襲われるようになった。太宰さんがいなくなると、不安で仕方ない。
「仕方ないさ、それだけ怖かったんだよ。しばらくは外に出ないほうがいいね。」
『ごめんなさい、迷惑かけて。』
「何故謝るんだい?好きな人が頼ってくれているんだから嬉しいことだろう。」
私は顔が赤くなる。すっかり惚れてしまったようだ。…でも、男が言っていた事はいったいどう言う事だったのだろう。そこだけはまだ分かっていない。とりあえず、早くトラウマを克服しなければいけないと、私は決意した。
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太宰side
彼女と同棲することになり、とても嬉しい。彼女はトラウマを克服しようと健気に頑張っているようだ。…しかし、彼女は本当に気づいていない。何故、自分が男に狙われたのかということを。男は仲間から情報がきたと言っていたが、それは本当に仲間だったのだろうか。
「もしかしたら、彼女に病的な愛を向ける輩の仕業、だったりしてね…」
「何にせよ、彼女は私のものになったんだ。」
「もう、絶対に、逃がさない。」
太宰治は小さく呟いた。
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霞草(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります (2月5日 18時) (レス) id: bf2bd1b5e3 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - ヤンデレは良いね、やっぱり。くにきぃだ君がヤンデレ…。めっちゃ面白かった (12月9日 21時) (レス) @page9 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - 国木田くん推しててよかった (11月28日 23時) (レス) @page1 id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
snow?(プロフ) - めっさ好き。続き楽しみ。アイラブヤンデレ。アイラブ文豪。(語彙力とは) (11月24日 0時) (レス) id: 6393b502b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霞草 | 作成日時:2023年11月23日 23時