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Page11:ドストエフスキー(後編) ページ11

ドストエフスキーside


僕とAさんが出会ったのは二ヶ月前のことでした。一目惚れでした。僕が一目惚れするだなんて、予想外でした。そこから仕事を全て放棄し、Aさんの事を調べました。



彼女の親は会社を経営していて、裕福な家庭だったようでした。僕はこう考えました。彼女を手に入れる為には「職と住居を失わせ、家族を離反させればいい」と。



なので、彼女の親の会社をハッキングし、情報を流出させ、潰しました。会社は信用で成り立っているものですから、一度信用を失えば再起は難しいでしょう。



彼女の家族を殺しました。彼女は家を燃やしたのは父親だと思っていますが、それは間違いです。その時には、既に彼ら(両親)は死んでいました。



家を燃やせば、彼女は否が応でも起きます。そして彼らの遺体を見つけ、家族で心中しようとした、と思い込むとだろうと思いました。



彼女は家族を愛していました。そんな彼女には、家族が死んだという事実は、耐えられないと思いました。


それ故に、彼女は事実を受け入れられないと。受け入れたくないあまり、記憶障害に陥るだろうと。彼女は予想通りに動いてくれました。



記憶を取り戻すように仕向けたのもわざとです。僕が悪役であると考えさせ、外へ出るようにしました。扉に鍵を掛けておかなかったのもその為です。



希望を抱えて外に出た結果、全てはもう失われていた。その時の絶望は計り知らないものだったでしょう。



彼女にはもう何も残っていなかった。居場所も、家族も、何もかもが。となると、彼女が縋るのは誰か……唯一彼女のことを知っている、僕です。



こうして僕の計画通りに彼女は僕のものになりました。彼女はもう外に出ないでしょうし、僕も安心です。



Aさんが部屋の扉を開けた時の表情を見て、僕はとても哀れだと思いました。



僕は貴方を逃す気はないというのに。



彼女の行動全てが仕組まれたことであるというのに、それに気づかない彼女は、滑稽で、とても、可愛らしかった。



せめて、彼女が僕が花瓶に刺していた花の花言葉を知っていたら…



僕から逃げられたかもしれませんね。













テッセン/縛りつける、甘い束縛

黒い薔薇/あなたはあくまで私のもの

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霞草(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります (2月5日 18時) (レス) id: bf2bd1b5e3 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - ヤンデレは良いね、やっぱり。くにきぃだ君がヤンデレ…。めっちゃ面白かった (12月9日 21時) (レス) @page9 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - 国木田くん推しててよかった (11月28日 23時) (レス) @page1 id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
snow?(プロフ) - めっさ好き。続き楽しみ。アイラブヤンデレ。アイラブ文豪。(語彙力とは) (11月24日 0時) (レス) id: 6393b502b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霞草 | 作成日時:2023年11月23日 23時

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