文豪と主役達 (ページ10)

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煙草ページ10

国木田視点

国木田「ここは、何処だ？」

『貴方達を隔離させていただきます』

あのエーミールという男が話してから、俺たちは文字に包まれ、気づいたらこの、ドアと窓が一つだけの部屋にいた。

谷崎「国木田さん！」

国木田「谷崎！他に人はいないか？」

谷崎「いいえ。僕達だけのようです。」

国木田「十中八九敵の罠だ。注意しろ。」

ガチャ
ドアの開いた音がした。

？「来たか！」

？「えー…。もう来たん？…」

先に入ってきたのは赤と黒の線が入ったサッカー選手のような服を着た金髪の男。気怠そうに入ってきたのは青くくたびれたスーツを着たメガネの男。

？「俺はコネシマ！こっちは鬱大先生や。」

？「俺戦うの嫌やねんけど…」

国木田「じゃあ社長を解放しろ。」

utu「それは無理」

谷崎「何故？」

kone「俺は戦ってもどっちでもええけど、総統と他の幹部が戦争大好きやからな。」

utu「あーでも、先刻(さっき)ドアの鍵閉めたから、鍵奪わないと外出れないんとちゃうか？」

谷崎「そうか。つまり、お前らを倒して鍵を奪わないと社長は助けられない。」

kone「そうゆうことやな、せやったらもう始めや。俺ら容赦せえへんからな？」

国木田「谷崎！異能の準備をしろ！」

戦いが始まり俺は異能を使う。つもりだったが…

utu「一寸待ってな？」

鬱と呼ばれたその男が急に煙草を吸い始めた。

国木田・谷崎「……は？」

kone「ふざけんなよ大先生！話聞いとったか！？」

utu「でも俺戦うの苦手やねん。シッマも知っとるやろ？俺のエイム。」

kone「取り敢えず煙草吸うなや！！！」

谷崎「……国木田さん。先刻もこの光景見た気がするンですが…。」

国木田「谷崎、俺もだ。」

男二人言い争いを始めた。というより、一方的に金髪の男が大声で怒り、スーツの男がのらりくらりと交わす。こんな光景を見て、思わず気が緩んでしまった。それは大きな間違いだった。俺が周囲の異常に気付いたのはその数秒後だ。

国木田「！？なんだこの煙の量は！」

俺たちの周りには異常なほどの煙が蔓延していた！
視界はそれほど悪くはないが…！

国木田「兎に角、煙を払わなければ！谷崎！窓をっ！」

谷崎「国木田さんっ！？」

俺は気付いたら腹を刺されていた。しかし刃物は刺さっていない！一体何処から！？

utu「刺したのは煙や。俺はな、身内で［詐欺師］って呼ばれてるんよ」

kone「言ったよなぁ？〈容赦はしない〉って。」