文豪と主役達 (ページ20)

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相対ページ20

敦「どうしよう…！鏡花ちゃんが下敷きに！……進もう。僕は鏡花ちゃんに助けられたんだ。だから…絶対に社長を助けないといけない！」

僕は自分に言い聞かせるように呟いて、前にある階段を登っていく。階段は暗く、長い。

敦「あれは…明かりだ」

どうやら階段が終わったらしい。しかし……階段の上には長く、先の見えない廊下があった

敦「……薄暗いなぁ…長いし。………ん？…床に…血痕！？…これは誰の…」

よく見ると、床に点々と血が垂れていて、それは廊下の先に進んでいた。僕はその血を辿りながら走る。

敦「きっと探偵社の誰かだ。だとすると…早く合流しないと！」

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先へ進み続けていると、前に人影が見えてきた。あれは……あの黒外套(コート)は…！

敦「……芥川！」

芥「人虎……！」

そこには芥川がいた。本来なら出会った時点、今ごろは戦いが始まっているほど仲が悪い。そう…本来なら。

敦「お前…その血はなんだよ…！？」

芥川の腹部は真っ赤に染まっていた。奴は血の部分を抑え、床に膝をつきうずくまっていた。

芥「貴様には関係ない」

敦「関係ないけど…そんなに血が出てたら心配くらいするだろ！」

芥「敵の心配をするなど……愚者め」

そう言って芥川は立ち上がり、右足を進ませた

敦「！？お前…真逆その怪我で敵と戦う気か！？」

芥「だとしたら、なんだ？」

敦「なんだ…って…」

芥「この程度では死なぬ。僕(やつがれ)は何としても、日没までに敵を殲滅しなければならん」

敦「殲滅！？真逆…また人を殺したのか！？」

芥「殺してはいない。が、致命症は与えた…。いずれ死ぬ」

敦「…ッ！………お前はどうして此処に来たんだ。ポートマフィアの首領を助けるためか？」

芥「…………太宰さんの、命(めい)だ」

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〈作者より〉

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