文豪と主役達 (ページ19)

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変貌ページ19

ガチャ

敦「開いた！」

ショッピの持っていた鍵をドアに差し込むと、ドアが軽く開いた

鏡「…よかった」

敦「あ、鏡花ちゃん！頭、痛くない？先刻、壁に頭をぶつけたでしょ？」

鏡「もう痛くない。大丈夫」

敦「そっか。じゃあ早くここを出て国木田さん達と合流しよう」

2人はドアを出る。

鏡「暗い…」

敦「廊下…かな。奥に明るい場所がある。あっちに向かおう！」

明るい場所を目指して走った2人。その場所は…

敦「な、なんだ…これ」

その場所は隔離される前の場所、エーミールがいたところだった。しかし、本棚は倒され、整理されていた本達は全て床の隅に散らばり、先程とは似つかない。そして…

敦「なんだ…この血は…！」

部屋の真ん中には倒れているエーミール。彼の背中には大きく裂かれた傷。さらに彼の周りは血に塗れ真っ赤だ。

鏡「…まだ死んではいない」

少女は彼の首に手を当てている

敦「脈があるんだね…良かった」

(敵とは言え…死ぬのは可哀想だ。この惨状…背中の傷…もしかして…)

鏡「ねぇ」

敦「！ごめん鏡花ちゃん。考え込んじゃって」

鏡「大丈夫。あれ、見て」

少女が指を指した。その先には階段が

敦「！先刻まであんな階段なかったのに…！本棚で隠してたのか」

鏡「…行く？」

敦「…うん、行こう。あの先に社長達がいるかもしれない」

2人は階段に向かって歩き出した…筈だった！

鏡「…ッ！」

いつの間にか少女の手をエーミールが掴んでいた！

敦「！？鏡花ちゃんを離せ！」

少年が彼に掴みかかることで少女は逃れられた…が、彼は今度は虎の少年を掴む

(傷が深い筈なのに…どこからこんな力が…！？)

em「…私は……他の人みたいに戦闘が得意じゃないし…そもそも戦争が好きでもない…」

彼は途切れ途切れに話し始める

em「今回やって…本当(ホンマ)はもう安全圏にいる計画やったんや…」

話しながら彼は何かのスイッチを取り出し、そして…！

em「でも…他…後輩ですら戦っとるのに…先輩は楽しとるなんて…そんなん…カッコ悪いやんか！！」

スイッチを押した。瞬間天井が爆発し、瓦礫となって下へと落ちてくる！

(僕と一緒に下敷きになる気だ！もう、間に合わない…！)

刹那、夜叉の刀が彼と少年の間に入り、2人の手を離す。そして、少女が少年を階段へと押す。少年は少女に押されて階段の所へ。少女は……瓦礫の下へ。