文豪と主役達 (ページ16)

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暗躍ページ16

現在、ポートマフィアには異能力のない構成員と、幹部が1人。静まりかえったポートマフィアに、来客がやって来た。ソイツは真っ直ぐに目的の場所へと進んでいく。そして今、到着した。

？「やぁ、姐さん。」

紅葉「久しいの、太宰。」

太宰「やだなぁ姐さん。この前まで武装探偵社で会っていたじゃない。」

紅葉「そうだったかの。…時に、太宰や。何故ここへ舞い戻った？」

太宰「…姐さんさ、何か企んでいるでしょう。」

紅葉「………はて、何のことかの？」

太宰「姐さんは、森さんが拐われる事を知っていただろう。」

紅葉「知っていた訳がないじゃろう。」

太宰「じゃあ何故そんなに冷静なんだい？姐さんは、森さんが居なくなると非常に困る筈だ。ポートマフィアが先代の首領の頃に逆戻りするからね。なのに何故、そんなにも落ち着いていられる？」

紅葉「……」

太宰「敵のアジトに送ったのは中也(かつゆ)とその部下、芥川くん、黒蜥蜴といった辺りでしょう。今のポートマフィアは非常に手薄だ。もしD国が攻めてきたら姐さん達だけじゃ対処しきれない。マフィアが壊滅するかもしれないよね。それを姐さんが分からない筈がない。まるで、敵が来ない事を知っていたみたいじゃない。」

太宰「ねぇ、姐さん」

紅葉「…本当に厄介じゃのう。」

太宰「それは肯定という事でいいね。」

紅葉「………嗚呼(ああ)」

太宰「姐さんが繋がってるって事はD、国は日本への侵攻なんて考えていないんでしょう？狙いは初めから探偵社とポートマフィアってことか。」

紅葉「………」

太宰「姐さん達が何を企んでいるのかは知らないけど、取り敢えず、手は打たせてもらったよ。」

紅葉「…芥川かえ？」

太宰「そう。芥川くんに電話をかけて、命令した。結界が張ってあるけど、城の中に電波は通るみたい。……じゃあ、私は用が済んだから帰るね。元幹部がずっとここにいる訳にもいかないし。」

太宰は出口へと進む。

紅葉「太宰や、お主はどこまでわかっておるんじゃ？」

顔だけが振り返る。

太宰「………さあ？」

それだけ言って太宰は闇に消えた。