文豪と主役達 (ページ15)

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まじないページ15

ある所で、芥川と1人の男が対峙する。男は藤色のマフラーに眼鏡を掛けている。芥川は無言で男に異能を使い、男は軽く避ける。

芥「…退(の)け」

？「危ないな、君。俺はD国の幹部。みんなから兄さんって呼ばれてる。」

芥「貴様の事などどうでもいい。首領は何処だ。」

ni「それは教えられない」

芥「ならば退け。さもなくば、貴様の命を刈る」

ni「ここを退くことはできない。何故ならこれが俺の仕事だから」

芥「ならば…散れ。」

芥川はコートを変形させ、無数の黒獣を兄さんに向かわせる。兄さんはそれを全て刀で切る。

芥「何故だ。羅生門が裂かれるなど、有り得ぬ。」

ni「この刀は特殊なんだ。俺が異能を使ったから。」

芥「…」

ni「俺の異能はいろんな種類のまじないをかけられる。この刀は普通の鉄でできている。しかし、俺が異能を使ったから、なんでも切れる刀になった。それが例え異能力であろうとも、ね。」

芥「五月蝿い。僕(やつがれ)は急がねばならん。」

ni「何故？」

芥「それがあの人(・・・)の命(めい)だからだ。それ故(ゆえ)に、貴様と無駄話をしている暇はない…羅生門！」

ni「先刻(さっき)よりも数が格段に増えたな。」

それでも男は涼しい顔で全て切る。そしてその勢いのまま芥川の元へと走り、切りかかる。

ni「…グハッ…！」

兄さんは、羅生門に腹を貫かれていた。そして、意識を失った。

芥「…他愛もない。」

芥川は羅生門をコートに戻し、去った。最後

芥「あの人の命(めい)により、貴様の命は刈らん」

と呟いて。

芥川は気づいていなかった。兄さんが異能を使って、彼にまじないをかけた事を。そして…

ni「……行ったか。にしても、血の量すごいな。」

兄さんが気絶していなかった事に。

ni「俺の異能ちゃんと発動すっかな…」

ni「…こっちも痛手を負ったんだから、やり返してもいいよな。」