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瞼の外側が暖かくなり、朝がきたことを報せた。
なんだか、シーツに誰か自分以外の重みが伝わっているような気がする。
そんな気がして、濁っていた意識をかき集めて眼を開ければ、ベッドの脇に彼がいた。
｢おはようございます。寝坊ですよ｣
本を片手にこちらを見下ろす彼は、いつも朝にわたしを呼びに来るうちのひとり。
こんなに容姿は愛らしいというのか、大人しいのに実はサディスティックだなんて考えたくもない。
｢……鍵閉めたのに｣
確かに、昨日の自分は結城さんの執務室を後にしたのちに自分の部屋へと入り、今にも崩れ落ちそうな意識を手繰り寄せて鍵に細工を仕掛けたのだ。
｢あんなの閉めたのうちに入りません。もっと巧妙な小細工をしてくださいよ｣
寝起きで余程、表情が判りやすかったのか疑問に思ったことの答えを返してくれた。
絶対夜這いなどする輩がいるとは限らないから、鍵は厳重に閉めておけ。と結城さんに言われたからそうしているのに、簡単に突破されるなんて一体どこをどうやって細工をすればいいんだ……。
あのD機関なのだから、針金やら細くて鍵穴に入る棒があればなんでも解錠できる。
もういっそのこと、鍵は二重にした方がいいのか……。
｢早く着替えてください。もうすぐで甘利さんが茶化しに来ますよ｣
｢うっ……それはいやだ｣
別に普段の甘利さんはいいのだが、朝から甘利さんはきつい。朝っぱらからわたしに対してジゴロのテクニックを披露してくるのだから、尚更だ。
相手をするのが億劫。
彼は｢僕は外に居るので｣、と言うと音もなく扉の方へ向かった。
｢……実井、覗かないでよ？｣
｢覗く訳ないじゃないですか……｣
呆れた口調で言い返され、居心地が悪くなると同時に彼は部屋から出ていった。
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結花(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！そういってくださるなんてとても嬉しいです！更新頑張りたいと思います！ (2016年5月11日 23時) (
レス) id: e4f52b721c (このIDを非表示/違反報告)
そら - お話とっても面白いです！更新頑張ってくださいね！ (2016年5月9日 22時) (レス) id: bddda4b7cc (このIDを非表示/違反報告)
結花(プロフ) - かみつれさん» コメントありがとうございます！！ 面白いだなんて凄く嬉しいです！更新頑張りたいと思います！ (2016年5月3日 19時) (レス) id: e4f52b721c (このIDを非表示/違反報告)
かみつれ - 更新楽しみにしています！ (2016年5月3日 0時) (レス) id: 51c4bbe9fb (このIDを非表示/違反報告)
かみつれ - とても、面白いです！ (2016年5月3日 0時) (レス) id: 51c4bbe9fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結花 | 作成日時：2016年4月22日 0時
