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一部捏造です。私の偏見が入ります。
──
｢佐久間さんは、何を飲みますか？｣
無人の食堂で、彼女は自分の分らしい珈琲を慣れた手付きでいれて、俺に問いかける。
｢水でいい｣
特別喉が渇いているという訳でもないから、椅子に座りながらそう答えると彼女は、意外ですね。とでも言いたそうな顔でカップに水を注いだ。
ふたり分のカップを持った彼女は(砂糖も持って)、俺の向かい側に座る。
｢何か問題でもありますか？｣
｢いや……｣
彼女は、これでもかというほど砂糖を珈琲の中に沈ませていき、珈琲の糖度を高めていく。
｢体に悪くないのか……？｣
こちらからすれば、悪いが、甘い爆弾と有害物質をぶちまけているようにしか見えない。
｢……それ、結城さんにも言われた｣
｢当たり前だろう｣
｢ええー｣と訝しげな表情でこちらを見ながら彼女は珈琲を啜る。
しかし、口を開けばすぐに結城中佐の名前しか出てこない。随分慕っているのだろうか。
｢わたし、珈琲の香りは好きなのに味は嫌いなんですよね。あんなの、苦すぎて飲めないですよ｣
それなら飲まなきゃいいじゃないか。と突っ込みたくなるのを抑え、大人しく話を聞くことにした。
｢でも、いつか結城さんが珈琲好きの人にならなきゃいけない任務を与えてくれたら、嫌な顔をせず飲めるようにならなきゃ駄目なんですよね｣
｢……女性は任務を貰えるのか？｣
D機関の訓練生を見たところを誰ひとり女は居なかったはずだ。
それよりも、男しか試験を受け付けていない気がする。
｢……わかりません。あのひとは女をスパイにすることを少し嫌ってます。女は一時の感情だけで動いてしまいますからね｣
｢おお……｣
なんだか昔付きまとわれた恐ろしい女の像が浮かび上がって、妙に納得がいく。
その女は一時的に俺を追いかけ、何週間かしたらけろりと何もなかったように変わっていったのだ。
｢早く結城さんの役に立ちたいんですよね。わたし｣
柔らかい笑みで言った言葉に、拍子抜けさせられたのは秘密だ。
──
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結花(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！そういってくださるなんてとても嬉しいです！更新頑張りたいと思います！ (2016年5月11日 23時) (
レス) id: e4f52b721c (このIDを非表示/違反報告)
そら - お話とっても面白いです！更新頑張ってくださいね！ (2016年5月9日 22時) (レス) id: bddda4b7cc (このIDを非表示/違反報告)
結花(プロフ) - かみつれさん» コメントありがとうございます！！ 面白いだなんて凄く嬉しいです！更新頑張りたいと思います！ (2016年5月3日 19時) (レス) id: e4f52b721c (このIDを非表示/違反報告)
かみつれ - 更新楽しみにしています！ (2016年5月3日 0時) (レス) id: 51c4bbe9fb (このIDを非表示/違反報告)
かみつれ - とても、面白いです！ (2016年5月3日 0時) (レス) id: 51c4bbe9fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結花 | 作成日時：2016年4月22日 0時
